「界隈」として閉じてしまうと社会自体が分断していく懸念もある
健康的とされる行為をキャンセルし、同じような人々と繋がることで肯定的に捉えることができる「○○キャンセル界隈」だが、「界隈」という形で閉じることで、外側から介入できなくなる場合もあると、石田氏は話す。
「どのような生き方も多様性の原理として受け入れる風潮が強い中で、1つの正しさを主張することが難しくなっています。『界隈』として閉じてしまうと、その中にいる本人にとって結果的にマイナスになる場合でも、改善せずに進んでしまうことになる」
「○○キャンセル界隈」について、何らかの行為ができない背景としてメンタルヘルスの問題があると指摘する声もある。医学的な対処が必要な場合もあると述べる石田氏は、このワードがカジュアル化しているのは、「キャンセルすらもライフスタイルの1つだという感覚が出ている」と説明。
冗談として使う分には問題ないとしつつも、「SNSなどを使えば、キャンセル界隈の人同士で繋がることは容易ですが、外側から干渉することは難しくなる。深刻な状況になれば、社会自体は分断していき、相互の会話はなくなってしまう」との懸念も示した。