川口市のクルド人問題、摩擦増えヘイトデモまで発生 地域住民と共存するヒントは

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地域の一員になるための努力

   こうした中、川口市周辺に住むクルド人の中には、地域の一員として認めてもらおうと動き出す人も増えている。クルド人団体「日本クルド文化協会」のメンバーらは川口市周辺でパトロール活動を行い、ゴミ拾いなどを行っている。事件を機に警戒感を強めた日本人も多いが、日本語教室を開くなど地道な支援も続いている。

   ここに至った川口周辺のクルド人問題だが、日本人と外国人が共生できる方法はないのか。注目される一つは群馬県大泉町だ。同町は住民約4万人超のうち約2割を外国人が占めている。町はポルトガル語の広報紙を発行したり、外国人と日本人が一緒にイベントを催すなど交流が進んでいる。

   同町に外国人が増えたのは、90年の入管法改正で日系人の就労が拡大されたからだ。同町に集積している自動車工場などの働き手としてブラジル人らが住み始め、地元企業の多くが元々、外国人を歓迎していた。

   一方、川口市の場合は、周辺のクルド人は仮放免の人が多く、就労も健康保険の加入も認められていない。親族から援助を受けて何とか生活する人も多く、生活基盤は不安定だ。

   川口市は国に対し、仮放免の外国人が最低限の生活を維持できるよう、就労を可能とする制度を作ってほしいなどと要望している。問題解決には、外国人の生活基盤を築く政策が欠かせないという。

(ジャーナリスト 宇崎朱莉)

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