アフィリエイトプラットフォームを提供するフォーイットが全国の20~60代の男女500人に行ったアンケート調査(2024年11月)によると、「車を持っている」と答えたのは全体の54.6%だった。年代別では60代が65.0%で最も高く、20代が38.0%で最も少なかった。Z世代と呼ばれる若者の車離れに対して、シニア層ほど車が生活に欠かせない実態が浮き彫りになった。
同社は「20代は学生が一定数おり、まだ免許を取得していなかったり、車を購入できる程の金銭的な余裕がなかったりする方も多い」と分析している。
自動車普及の1位は
一般財団法人・自動車検査登録情報協会によると、24年3月末時点の都道府県別の自家用乗用車の世帯当たり普及台数は、福井県が1位で富山県が2位だった。公共交通機関が普及し、若者が多い大都市圏よりも、高齢化が進む地方ほどが車は必需品だ。
今後はカーシェアリングやサブスクなどが普及し、車は必ずしも所有する必要はなくなるかもしれない。それでも現時点でシニアは車を購入するケースが多い。そんなシニアには、どんな車がお薦めなのだろうか。
ウェブメディアの「VOITURE(ヴォワチュール)」によると、「高齢者向けのおすすめ車種ランキング」(23年)はホンダ「N-BOX」、ダイハツ「タント」、トヨタ「ヤリス」、日産「ルークス」、「マツダ2」だった。
このうちN-BOXとタント、ルークスは軽自動車でヤリスとマツダ2は小型車だ。いずれも自動ブレーキなど安全運転支援システムを搭載しながら、維持費が安いのはもちろんだが、理由はそれだけでない。
セダンからスライドドア軽へ
シニア向けの車選びには「乗りやすい低床フロア」「フロントガラスが大きく視界が広い」、「開け閉めしやすいスライドドア」など、身体に合わせた条件が入ってくるという。
現在70代のシニアが20代のころ憧れた車のベスト3は日産スカイライン、日産ブルーバード、トヨタクラウンだという(金融・保険業のKINTO調べ)。いずれも高性能でスタイリッシュなセダンだったが、年齢とともに安全性や維持費を重視すれば、使いやすいスライドドアの軽などに落ち着くのは必然ともいえるのではないか。
(ジャーナリスト 岩城諒)