1歳の子を育てながらの転職活動、うまくいく? 転職の専門家が解説...新たな出会いの絶好の機会

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ロールモデルに出会うことで、キャリアのイメージを描ける

   人手不足が深刻化している今、企業は「多様な人材の活躍」を目指すようになり、育児中の女性も活躍できる制度・環境を整備しています。

   また、2015年に施行された「女性活躍推進法」やSDGsの目標の一つである「ジェンダー平等を実現しよう」への取り組みを背景に、女性管理職比率の向上にも力を入れています。

   新たに管理職ポジションに就く女性となると、多くは30代~40代で、子育て世代が多い傾向にあります。しかも企業は、育児とマネジメントを両立できる働き方を支援しており、女性管理職の数が増えています。

   そうした女性管理職は、育児をしながら働く部下の状況や気持ちを理解でき、部下にとっては「こういうふうに働けばいいんだ」というお手本になるともいえます。

   育休中に転職活動を行い、「ロールモデル」になる女性に出会ったBさん(30代)の事例を紹介しましょう。

   正社員の広報職として働くBさんは、育児休暇中に転職活動を始めました。職場復帰が近づくなかで、今後の自身のキャリアに不安を抱いたからです。社内を見渡しても、育児をしながら希望の職種で活躍している女性は見当たりません。今の会社でこの先もキャリアを築いていけるイメージを持てなかったのでした。

   育児中は、保育園への送迎などで働く時間に制約が生じることが想定されます。契約社員・派遣社員という選択肢も検討しましたが、裁量権を持って責任ある仕事を担い、スキルアップしていきたいと考えたBさんは、そのチャンスが多いと思われる正社員にこだわっていました。

   そこで、リモートワークやフレックスなどの制度を利用して育児とキャリア構築を両立できる環境に移りたいと考えました。1歳の子どもがいても正社員としての転職が可能なのか、不安を抱きながら転職活動でした。

   結果的に、Bさんは外資系商社に広報の正社員として転職を果たしました。入社決意の決め手となったのは、フルリモートワークが可能であることに加え、上長となる女性も自分と同じくらいの年齢の子どもを育てながら活躍していることです。

   転職活動を通じて「ロールモデル」となる人に出会えたことで、子どもを育てながらキャリアを積んでいくイメージを描けたのでした。

   転職活動は、今の職場にはいないような人に出会える機会もあります。

   さまざまな企業を見て、さまざまな人と話すなかで、自身がロールモデルとしたい働き方や人が見つかるかもしれません。エージェントを使ってご自身のスキルを可視化したことで、当初想定していなかったような選択肢に出会うこともあります。最終的に転職する・しないにかかわらず、少しでも気になることがあれば転職活動をしてみることで視野を広げ、新たな可能性を探ってみてはいかがでしょうか。



【プロフィール】
キャリアアドバイザー 松原大悟

地方公務員として児童福祉業務にて経験を積み、2023年にリクルートに入社。キャリアアドバイザーとして、さまざまな業界・職種の求職者の転職を支援。求職者の方にとって納得感のある転職活動ができるよう支援をすることにこだわりを持つ。

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