1905年(明治38年)創業の老舗紳士洋品・銀座田屋が販売する「半導体」デザインのネクタイが、2025年1月16日ごろからSNSで話題になっている。同店のオンラインショップでは、17日18時時点で「在庫切れ」。受注生産の予約を受け付ける状況だ。
銀座田屋では、「半導体」以外にも「元素周期表」「キーボード」など独特なデザインのネクタイを販売している。同店を展開する田屋(東京都中央区)の担当者は17日、「老舗らしからぬ自由な発想と表現を意識しています」とJ-CASTニュースの取材に説明した。
「半導体に携わる方がさらに増えることを想定しデザインしました」
話題になったのは、銀座田屋が販売している独特なネクタイだ。一般のXユーザーが16日に紹介し、1万5000件以上のリポスト(リツイート)を集めた。
このネクタイは電子機器の中心的な役割を担う「半導体」をデザインしたもので、回路基板の柄になっている。商品名は「半導タイ」。ネイビー、ブルー、グレーの3色があり、価格は税込1万7600円だ。
銀座田屋の担当者によれば、22年3月から販売を開始。3年間で600本売れたという。「半導体というのは身近なところでたくさん必要とされており、半導体に携わる方がさらに増えることを想定しデザインしました」と理由を明かす。
同社は、素材の品質に一番力を入れている。最高級のシルクを使った生地で、柄の質感が生まれる。生地に張りが生まれることで、ネクタイの締め心地の良さを実感できる。また、織機の改良やコンピュータの導入によって、プリントのような表現も可能になったと、担当者は説明した。
銀座田屋では、さまざまな図形が描かれた「ピタゴラス」や、スコッチウイスキーが描かれた「スコッチバー」、「元素周期表」、「キーボード」などの独特なネクタイが多く販売されている。
特に人気な商品は、世界62か国の「ありがとう」という言語をデザインしたものだ。その名も「ありがとう」。15年3月から販売しているもので、新しい色の商品を毎年発売している。販売総数は数千本になるという。
担当者は、「ネクタイをきっかけに人との会話が弾むことを意識しています。そこに人間関係のつながりが生まれます。ネクタイにプレゼントする方のメッセージを乗せられれば、もらった方もそのメッセージを受け取れます」と説明している。