退職代行サービス利用が当たり前の時代に 「連休明けは会社を辞めたくなる」4割強

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   本人に変わって会社に退職の意思を伝える「退職代行サービス」の利用者が増えている。年末年始の連休明けには急増し、転職・退職支援会社「アルバトロス」(東京都港区)が運営する「退職代行モームリ」に寄せられた2025年1月6日の依頼件数は過去最多の256件に上ったという。

  • 9連休で依頼が急増
    9連休で依頼が急増
  • 9連休で依頼が急増

会社に会いたくない人がいる?

   退職代行サービスとは、会社や上司に「退職したい」と言い出しにくかったり、退職の意思を伝えても会社が受け入れなかったりした場合、本人に代わって会社に意思表示をしたり、退職の手続きをサポートしたりするサービスだ。ネット上で相談でき、料金も2~3万円前後と比較的手ごろなサービスが増えたことから、ここ数年、注目を集めている。

   2024年年末から25年の年始は、多くの企業で9連休となったことが依頼急増の背景とみられている。一般社団法人徳志会(東京都品川区)が24年11~12月に全国の10~50代の100人の会社員を対象に実施した調査によれば、4割強の人が「連休明けに退職や転職を検討した経験がある」と回答した。連休明けに最もストレスを感じることについては「会いたくない人と会わなければならない」が最も多く、4割弱だった。

   同会は「連休明けは仕事のリズムへ再び適応しなければならないなど、ストレスがたまる」と調査結果をまとめている。

   ストレスを感じやすい連休明けに、比較的使いやすい退職代行サービスがあると知っていれば、頼りたくなる人が増えるのも当然かもしれない。とくに、若い世代は転職に対する抵抗感は薄れており、退職代行の活用が広がる可能性が高い。

退職代行サービスを利用したい人は2割

   就職情報サイトのマイナビ(東京都千代田区)が24年7月、直近1年間に転職した20~50代の男女800人に実施した調査結果によれば、全体の16.6%が実際に退職代行サービスを利用したと答えている。その理由でもっとも多かったのは「退職を引き留められた(引き留められそう)」で、全体の4割に上った。

   また今後、退職代行サービスを利用したいという人は20.1%に上った。なかでも20代が20.3%で最も多かったが、40代は17.9%、50代でも5.5%で、中高年の利用希望が少なくないことが分かる。

   マイナビは「退職代行が利用される背景には、働く人と企業間のコミュニケーションのエラーや不足が一つの要因だと考えられる」とのコメントを公表している。

   退職が実現したとしても、働き手と雇い主双方にメリットがあるとは限らない。

(ジャーナリスト 宇崎朱莉)

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