「おしょうバズTV 2025」(テレビ朝日系)の企画「東京写真ビフォーアフター」はバナナマン日村勇紀とノブコブ吉村崇が東京都内の街並みの移り変わりを発見する正月恒例の人気番組だ。2025年1月1日も2人は古い写真の道路、看板、ビルの形などから場所を当てて盛り上がった。
これからお見せする写真は、東京でも変貌激しく改造中の渋谷の有名場所だ。写真家の鷹野晃氏の写真集『定点写真で見る渋谷今昔』(二見書房)から「出題」した。
明治時代は「東京の郊外」だった
東京の写真を撮り続ける鷹野氏が渋谷に焦点を当てたのは「百年に一度という再開発で変わったものと変わらないものが一目瞭然にできるのではないか。明治期の渋谷まだ東京の郊外でしかなく、関東大震災以後急速に発展するさまを改めて実感した」という。
1,渋谷でもっとも有名な場所と言えば?(東京都公文書館所蔵)
答えは1956年の「渋谷駅ハチ公前」、西口区画整理事業と地下鉄工事が行われていた。
2,建物をよく見ると。(東京都公文書館所蔵)
答えは、1947年の国鉄(現在のJR)渋谷駅。右は玉電ビルで後に東急会館となる。
3,紀伊國屋商店がある。そして、電車。(東京府渋谷町職員記念写真帖から)
答えは、1932年の恵比寿駅前。
4,道が左斜めに曲がっているところに注意。
答え、青山学院正門前。写真は青山学院所蔵。
写真は2024年の青山学院前。道路は1964年の東京五輪を契機に40メートル幅に拡張された。
鷹野氏が選んだ渋谷付近の撮影ポイントは74か所。いずれも、なじみの建物などがある、名の知れた場所である。現在は人気スポットだが、昔は畑や森林だったところもある。
鷹野氏は明治の文豪、国木田独歩の「武蔵野」を引用している。
25歳の国木田は妻に去られた傷心を抱えて渋谷村の高台に半年ほど過ごしていた。今の宇田川町辺りだ。「武蔵野」の一節に、「丘に立ちて望めば富士真白に連山の上に聳(そび)ゆ。風清く気澄めり」。
当時の渋谷からの風景なのだろう。それが、鷹野氏が写真を撮り歩いた2024年、若者や外国人観光客で渋谷センター街のほど近くに広がっていたとは驚かざるを得ないという。
(J-CASTニュース リサーチ班)