道路いっぱいに歩き、車が立ち往生して生活に影響
小樽市が1月7日に発表した24年度上期(4~9月)の「観光入込客数の概要」によると、市内を訪れる外国人観光客は、クルーズ船の寄港増も相まって、コロナ前の水準をも上回っている。上期の観光入込客数は約396万人と、前年同期に比べ約31万人も増えた。外国人宿泊客数は、統計開始以来の最多となり、台湾、韓国、香港、中国、シンガポール、タイ、アメリカからの宿泊客が多かった。
インバウンド客について、市の観光振興室は24日、25年に入って急増したとして、一部の観光客によるルール違反などの行為が前年から目立っていると明かした。
「道路いっぱいに歩いたり、一部エリアでは、道路に大の字に寝転がって写真を撮ったりする行為が見られます。また、職員が直接見たわけではありませんが、線路の脇を歩いたり、警報機が鳴っても踏切の真ん中で撮影したりする人がいると、近所の方から聞いています」
道路いっぱいに歩くため、車がクラクションを鳴らしても、すぐに避けない観光客もいるという。車が坂の途中でストップした場合は、雪道で滑って上がれなくなることもあるとした。住民の生活にも、大きな影響が出ているようだ。
「海を見てみたい、海をバックに撮影したい、という声もよく耳にしますね。推測ですが、海や雪のない地域から来られているからではないでしょうか。小樽に来て、『雪と海と青い空が美しい』との声を聞きます」
とはいえ、一部の観光客による過度の混雑やマナー違反から住民生活に支障が出ており、市では、警察の協力の下で24年10月にトラブル防止のための注意喚起ポスターを作り直し、駅の周辺や電柱などに貼り出している。ポスターでは、「線路で立ち止まる行為」「道路上で写真撮影する等車の通行を妨げる行為」などは、「犯罪です 懲役や罰金等が科せられます」と英語や中国語、韓国語でも呼びかけている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)