「かかりつけ医」倒産が最多 コロナ禍で患者に見放された「サービス力」ない診療所が浮き彫りに

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コロナ禍で増えた「かかりつけ医」を見直す動き

   J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を行なった帝国データバンク情報統括部情報取材課課長の阿部成伸さんに話を聞いた。

――医療機関の倒産が過去最多に達した理由は、ズバリ何でしょうか。コロナ禍のなか、かかりつけ医を見直す動きがあったと指摘していますが、具体的にはどういうことですか。

阿部成伸さん 倒産が最多となった背景は複合的です。「コロナ補助金の削減」「ゼロゼロ融資の返済開始」「物価高(材料費や機器価格の高騰)」「賃上げ」「受診者の選別意識の高まり」「経営者の高齢化・後継者難」。これらが同時進行しているためです。

取材の過程で病院や診療所と取引している複数の関係者の方から「アフターコロナになっても患者が戻らないクリニックが多い印象」という話を耳にして、それぞれなぜそう思うのか、理由を聞きました。すると、こんな声が複数上がってきました。

「コロナ禍でいつも通っている施設でワクチンを打とうと思ったが、あっさり断られてしまった」「行ったものの対応が雑だった」などの理由で、かかりつけ医のイメージがダウン。また、「仕方なく違う施設で受診したところ、とても良い対応だったので、アフターコロナではそちらに通うようになった」など、水面下でかかりつけ医を見直した人が一定数生じたというのです。

さらに「結果的に患者が増えたところ(評判が上がったところ)と、患者が減ったところ(評判が下がったところ)で二極化した」という趣旨の話をする方もいました。

実は、コロナ禍で私自身が全く同じ経験(かかりつけ医の見直し)をしたので、すごく説得力がありました。データで示せない話なのですが、おそらく同じ思いをされた方は結構いらっしゃるのではないかと思います。
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