2025年1月23日に芸能界引退を発表した中居正広さんの問題をめぐり、弁護士でインフルエンサーの岡野タケシ氏と弁護士YouTuberの藤吉修崇氏がそれぞれXで異なる見解をポストしている。
女性とトラブルになり、9000万円の示談金を支払ったと報じられている中居さん。一度は芸能活動の継続を表明したものの、23日になり、引退を発表していた。
「示談金では解決できない問題なのだ」
岡野氏は同日にXで「示談が成立したのに、中居くんが引退に追い込まれるのはおかしい」という意見に言及し、「それは『示談』という言葉の意味を誤解している」と指摘。「示談はあくまで、事件の法律的・金銭的な側面(当事者間の債権債務関係・賠償問題)を解決するだけだ」といい、示談が成立しても社会的制裁や道義的な責任が消えるわけではないと説明した。
示談成立で「社会的な制裁や道義的な責任まで問われないことを期待する」という加害者も多いものの、岡野氏は「示談の成立は、処分を軽減する一要素とはなりうるが、処分そのものを否定する理由にはならない」と強調した。
また、岡野氏は「中居さんの場合も、多額の示談金を支払って被害者との法律的・金銭的な紛争は解決したかもしれない」と言いつつ、「しかし、タレントとしての社会的信用の失墜、スポンサー企業からの信頼喪失、そして視聴者からの失望は、示談金では解決できない問題なのだ」と道義的責任は免れなかったことを指摘した。
最後には、「『示談さえ成立すれば何でも許される』という考え方は、結局のところ『金で何でも解決できる』という発想に他ならない。そんな価値観が蔓延する社会は、決して健全とは言えないだろう」とつづっていた。
「『金で片付けよう』って合意したなら、それで話は終わり」
一方、藤吉氏も同日にXを更新したが、「『金払えばいいってもんじゃない』って言ってる人いるけど。お互い納得して示談したなら、金払って終わり。それが示談なんだが」と岡野氏とは反対の意見をポストした。
さらに、「もうモヤモヤしてるから、はっきり言うわ」と前置きし、「示談で決着した話を週刊誌が後から掘り返して蒸し返すーこれ、もっともダメなケース。こんな前例を作れば、示談なんて信用されなくなる。結果、裁判所は案件の山で機能不全、社会全体が揺らぐ」と指摘した上で、「これはただのゴシップじゃない。制度の根幹を揺るがす大事件」と苦言を呈した。
また、岡野氏の「「『示談さえ成立すれば何でも許される』という考え方は、結局のところ『金で何でも解決できる』という発想」という意見については、「それはちょっと違うと思う」と反対し、「無理やり押し付けたんならともかく、当事者同士が納得して『金で片付けよう』って合意したなら、それで話は終わりだろ」と持論を呈した。
藤吉氏は、「金が動いた瞬間に、そこには『お互いの選択』があったわけでさ。
むしろ『金で解決=悪』って言う考えこそ、世の中の多様性を否定していると思う」と自身の考えをつづっていた。