SNSのコミュニケーショントラブル 「仲がいい」年配者同士ほど多いのはなぜ?...担当者に聞いた

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スマホ利用時間が長くなり、コミュ力が欠如してくるのでは?

   J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を担当したモバイル社会研究所の小島誠也さんに話を聞いた。

――SNSでのコミュニケーショントラブルが、若い男性一番多くなっているのはどういう理由からでしょうか。モバイル社会研究所のこれまでの調査では、特にInstagramやTikTokの利用頻度は若い女性のほうが若い男性より高い結果が出ており、SNSの利用は若い女性のほうが多いのではないでしょうか。

小島誠也さん InstagramやTikTokの利用率や頻度は若い女性で高いものの、Xは性差が少なく、むしろ男性のほうが少し高い傾向も見られます。こうしたことから、一概に女性のほうがSNSを多く使っているとは言えません。

また、若い世代のネット上でのコミュニケーショントラブルについては、男性のほうが多いという結果がほかにも見られます。たとえば、総務省が2024年6月に発表した「青少年のインターネット利用調査」でも、「他人の投稿と比べてストレスを感じた」割合が、中学生では女子のほうが高いですが、高校生では男子のほうが高くなります。今回のSNS調査においても同様の結果が見られたものと思います。

――スマホの利用時間が長いほど、コミュニケーショントラブルが多い結果が出ていますが、これは単純にそれだけSNSを使っている時間が長いからということでしょうか。あるいは、スマホの利用時間が長い人特有の生活態度からくる「他人とのコミュニケーション能力の欠如」などは考えられないでしょうか。

現在70代の私からみると、いまの若い世代はスマホの利用時間が長くなりすぎている気がします。スマホばかり長く使ってネット空間にいると、生の人間関係が少なくなり、他人に対する気遣い、配慮、思いやりなどの気持ちが欠けてくる面もあるのではないかということです。

今日のSNSによる誹謗中傷の氾濫や、二者択一に決めつける傾向などの影響をより多く受けてしまうのではないでしょうか。

小島誠也さん スマホ利用時間が長いことが、一概にコミュニケーション能力の欠如につながるとは言えません。スマホの利用時間が長いほど、SNSの利用時間が長くなり、利用頻度や発信頻度が高くなることが考えられます。結果としてコミュニケーショントラブルを経験する割合も増えるものと考えられます。

また、SNS上などの非対面のコミュニケーションにおいては、対面に比べて攻撃的な表現をしやすいということも言われており、そうしたことが影響しているものと考えられます。
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