SNSによるコミュニケーショントラブルの経験は、若い男性がもっとも多いことが、NTTドコモの研究機関、モバイル社会研究所(東京都千代田区)が2025年1月20日に発表した「SNSでのコミュニケーショントラブル調査」でわかった。
また、スマホを長時間利用する人ほどトラブルに巻き込まれるケースが多くなる。どうすればトラブルを避けられるか、調査担当者に聞いた。
コミュニケーショントラブルが一番多いのは若い男性
モバイル社会研究所の調査(2024年2月)は、全国の15~59歳男女3936人が対象だ。SNSの中でもXとInstagram、Facebook、TikTokの利用者だけを調査した。
まず、15~59歳のSNS利用者を対象に、SNSでのコミュニケーショントラブル、具体的には「自分の発言で他人を傷つけた」「複数人から批判的な書き込みをされた」「言い合いになった」の3点を経験したかを聞いた。
その結果、各トラブルを経験したと答えた割合は4~7%程度だが、性年代別では特に若年男性(15~24歳)の割合が高く、「言い合いになった」「複数人から批判的な書き込みをされた」がそれぞれ1割を超えている【図表1】。
次に、スマホの利用時間による違いを調べた。すると、ほとんどの年代・トラブルで利用時間が長いほうがトラブル経験の割合が高かった。特に、「言い合いになった」に着目すると、15~24歳では4ポイント、40~59歳では3ポイント以上の差がみられた【図表2】。
続いて、友人との交流頻度による違いを調べた。まず、各年代で外食や旅行といった直接顔を合わせる対面交流頻度が多い群と少ない群に分けて聞いた。すると、友人との対面交流が多いほうがトラブル経験の割合が高かった【図表3】。
友人と直接顔を合わせるほど親密だと、SNSの利用・発信なども多くなり、結果としてコミュニケーショントラブルが増えると考えられるという。
次に、電話やLINE、メールなど顔を合わせずに連絡する非対面交流の頻度との関係を調べると、興味深い結果が出た。
若い年代では非対面交流が少ないほうがトラブルの割合が高い傾向があるのに、逆に年齢が上がると非対面交流が多いほうがトラブル経験の割合が高くなるのだ【図表4】。
つまり、若い年代ではあまり電話やLINEをしない関係のほうがトラブルは多い。逆に、こと年配層では、頻繁に電話やLINEをし合う関係のほうがトラブルは多くなるというわけだ。
これは、いったいどういうことだろうか。