今、ミドルシニアの転職がアツイ 採用意欲高い業界はここだ!/パーソルキャリア・石井宏司さん

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   引く手あまたの若手と異なり、40~60代のミドルシニアの転職は厳しいといわれる。

   そんななか、人材総合サービスのパーソルキャリアが運営する転職サービス「doda」(デューダ)が2024年12月19日に発表した「2025年 ミドルシニアの転職予測レポート」によると、2025年は転職市場で「ミドルシニア元年」になるほど企業の採用意欲が高まっている。

   どういう業界で、どんなスキルを持つ人材が求められているのか。パーソルキャリアの石井宏司さんに話を聞いた。

  • ミドルシニアの転職先は(写真はイメージ)
    ミドルシニアの転職先は(写真はイメージ)
  • (図表)DX関連のリスキリングで今後起こりうるミドルシニアの労働移動(転職サービス「doda」作成)
    (図表)DX関連のリスキリングで今後起こりうるミドルシニアの労働移動(転職サービス「doda」作成)
  • 石井宏司さん(本人提供)
    石井宏司さん(本人提供)
  • ミドルシニアの転職先は(写真はイメージ)
  • (図表)DX関連のリスキリングで今後起こりうるミドルシニアの労働移動(転職サービス「doda」作成)
  • 石井宏司さん(本人提供)

脱炭素経営を求められる業界が、専門スキル持つ人材を募集

   レポートによると、転職サービス「doda」におけるミドルシニア(40代~60代)の新規登録数は、2023年度は2019年度と比べて約140%も増加。2025年以降も転職希望者が増える傾向が続くと予想する。

   理由としては、特に団塊ジュニア(1971年~74年生れ)を中心とした50代の転職活動の活発化があげられる。

   この世代はバブル崩壊後に社会人となり、大幅な給与増を経験していない。晩婚化によって育児・教育の出費を抱えているうえ、役職定年による管理職手当の削減など定年前の不安に直面、自分の経験やスキルを活用できる企業に転職したがっている。

   一方、企業側も採用ターゲットの中心である20代後半~30代が、昨今の賃上げなどにより採用難易度が高まったこともあり、豊富な知識と経験を持つミドルシニア層に的を絞り始めた。

   2025年は、転職市場における「ミドルシニア元年」になるというわけだ。

   では、ミドルシニアの採用意欲が特に高まる領域はどこか。まず、カーボンニュートラルと経済成長の両立を目指す取り組みGX(Green Transformation=グリーン・トランスフォーメーション)の分野がある【図表】。

   2025年以降は、製造業系の大企業だけでなく、取引先の中小企業でも脱炭素対応が求められる。CO2排出量の見える化や、脱炭素の経営計画への組み込みなどを現場で推進する人材が必要になる。

   ただ、現時点で、脱炭素の知識や経験を兼ね備えた人材は少ない。そこで、GX関連の業務経験がなくとも、経理・会計、事業企画・経営企画の経験がある人材は、経営サポートの面で需要が高い。GX関連の講座や検定受講などリスキリングをすればGX人材としての活躍が可能だ。

   もう1つは、大手金融機関と業務提携を進める通信業や小売業、IT業界などで、金融業界出身者の採用ニーズが高まっている。具体的には、銀行のポイントを携帯料金の支払いやコンビニでの買い物に利用できるようなサービスの提供などが挙げられる。こうした動きは今後、ヘルスケア領域など幅広い業種で進む見込みだ。

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