今オフのFA市場で、意外な争奪戦が繰り広げられたのが中日から日本ハムに移籍した福谷浩司だった。
残留のぞむ中日、日本ハム、ヤクルトが参戦
昨年は8試合登板で3勝1敗、防御率3.72。ファームで過ごす期間が長かったが、オフに熟考の末にFA権を行使した。
残留を望んだ中日のほか、日本ハムとヤクルトが獲得レースに参戦した。昨年の推定年俸2000万円で金銭補償、人的補償が必要ないCランクだったが、実力が伴わなければ評価されない。
「近年は思うような活躍ができていないですが、福谷は総合力の高い投手です。1軍に定着できなかった理由は、突然崩れるので首脳陣が計算できない部分があった。メンタル面、技術面のどちらが要因なのか分かりませんが、獲得に乗り出した球団は復活できるという自信があったのでしょう。日本ハムは他球団から移籍して輝く選手が多い。福谷も大化けする可能性があります」(スポーツ紙デスク)
田中正義、郡司裕也、水谷瞬が素質を開花
新庄剛志監督が就任以来、他球団で伸び悩んでいた選手たちが素質を開花させている。
ソフトバンクにドラフト1位で入団し、在籍6年間で1軍未勝利だった田中正義はFA移籍した近藤健介(ソフトバンク)の人的補償で日本ハムに入団すると、2年間で計45セーブをマーク。
中日でファーム暮らしが長かった郡司裕也はトレードで加入すると、三塁で定位置をつかみ、昨年は127試合出場で打率.256、12本塁打、49打点と、いずれも自己最高の成績を残した。
昨オフに現役ドラフトで移籍した水谷瞬もソフトバンクでは1軍出場がなかったが、交流戦で史上最高打率.438を記録してMVPに輝くなど、97試合出場で打率.287、9本塁打、39打点を記録した。
福谷は14年にリリーバーでリーグトップの72試合登板で2勝4敗11セーブ32ホールド、防御率1.81をマーク。先発に回った20年は14試合登板で8勝2敗、防御率2.64と好成績を残している。
日本ハムでは先発、救援のどちらで起用されるか。V奪回に向けて重要なピースになるかもしれない。(中町顕吾)
— 福谷 浩司/ Koji Fukutani (@FKJ17) December 23, 2024