夫の家事育児は「満足」、初めて「不満」上回る 専門家が指摘...「家オペ力」は仕事でも役立つ(2)

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   ようやく「イクメン」時代の到来か?

   働く主婦・主夫層のホンネ調査機関「しゅふJOB総研」(東京都新宿区)が2024年1月7日に発表した「夫の家事負担調査」によると、夫の家事・育児への取り組みに「満足」という人が初めて過半数を超えた。

   過去の調査では「不満」という妻のほうが多かった。仕事に家庭に頑張る夫へのエールを専門家に聞いた。

  • 一緒に料理を作る若い夫婦(写真はイメージ)
    一緒に料理を作る若い夫婦(写真はイメージ)
  • (図表1)2024年を振り返り、夫は家事・育児を十分取り組んだと思うか(しゅふJOB総研作成)
    (図表1)2024年を振り返り、夫は家事・育児を十分取り組んだと思うか(しゅふJOB総研作成)
  • (図表2)夫は家事・育児について直近3年間の比較(しゅふJOB総研作成)
    (図表2)夫は家事・育児について直近3年間の比較(しゅふJOB総研作成)
  • (図表3)家事・育児で夫がもっと取り組んだほうがいいと思うもの(子どもがいる女性のみ)(しゅふJOB総研作成)
    (図表3)家事・育児で夫がもっと取り組んだほうがいいと思うもの(子どもがいる女性のみ)(しゅふJOB総研作成)
  • (図表4)夫は家事・育児「取り組み不足度」(子どもがいる女性のみ)(しゅふJOB総研作成)
    (図表4)夫は家事・育児「取り組み不足度」(子どもがいる女性のみ)(しゅふJOB総研作成)
  • 一緒に料理を作る若い夫婦(写真はイメージ)
  • (図表1)2024年を振り返り、夫は家事・育児を十分取り組んだと思うか(しゅふJOB総研作成)
  • (図表2)夫は家事・育児について直近3年間の比較(しゅふJOB総研作成)
  • (図表3)家事・育児で夫がもっと取り組んだほうがいいと思うもの(子どもがいる女性のみ)(しゅふJOB総研作成)
  • (図表4)夫は家事・育児「取り組み不足度」(子どもがいる女性のみ)(しゅふJOB総研作成)

夫の「家オペレーション力」は仕事でも活かせる

   <夫の家事育児は「満足」、初めて「不満」上回る 専門家が指摘...「家オペ力」は仕事でも役立つ(1)>の続きです。

――コメント欄では、さまざまな意見が出ていますが、川上さんはどのコメントが印象に残りましたか。

川上敬太郎さん 「やっと、自分から進んで家事等...やるようになったのは、とってもよいこと」というコメントです。妻から言われたからとイヤイヤ動くのではなく、自分から進んでやるというのは大きな変化だと思います。

妻からしても、「お皿をしまって」などと指示するのも億劫ですし、指示するたびに不貞腐れた態度をとられるのも嫌なもの。夫が自から進んで家事をするというのは、主体者としての認識が芽生えた証。家事育児をめぐる夫の「覚醒」と言ってもよいかもしれません。

――先ほど「家オペレーション」(家オペ)という言葉が出ました。川上さんは以前から夫の仕事の面でも重要だと主張されていますが、改めて説明してください。

川上敬太郎さん 名もなき家事に気づけるかどうかは、視野の広さに比例するとお伝えしましたが、そのメカニズムは職場においても通じる話です。

たとえば、モチベーションの高い社員から「なぜこのプロジェクトをやらせてくれないんですか!」と課長が詰め寄られるような場面。「やる気は買うが、キミがいまこのプロジェクトに関わると担当している業務の進捗が遅れてしまう」と課長からNGが出れば、社員はがっかりするかもしれません。

しかし、課長は課全体の役割と成果を視野に入れています。組織の成果を最大化させるために何がベストかを考えて判断する立場にあるだけに、社員側もただプロジェクトに参加したいと意気込みを伝えるだけでなく、視野を広げて組織の成果という観点からプロジェクト参加のメリットを伝えないと、課長と目線が合わず議論がかみ合わなくなりがちです。

そんな、視野を広げるという課題への気づきを、家庭内の名もなき家事を通じて得ることもできるかもしれません。家庭という組織を運営するメカニズムをひもとくと、職場でも活かせる要素が多分に含まれていることが発見できます。
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