ガソリン補助金減り「リッター185円」へ さらに上がる?値下がりのシナリオは?

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   政府はガソリン価格を抑える補助金を2025年1月16日から縮小した。このため全国的にガソリンの小売価格が上昇している。石油情報センターによると、レギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は180.7円(1月14日時点)から5円程度上がり、185円台となりそうだ。

  • 180.7円から5円程度上昇
    180.7円から5円程度上昇
  • 180.7円から5円程度上昇

政府は補助金をどうするのか

   ガソリンへの政府の補助金は2022年1月、原油価格の高騰を受け緊急措置として始まった。ENEOSや出光興産など石油元売り会社に政府が補助金を支払うことで、末端のガソリン価格を抑える仕組みだ。これまで政府は約8兆円の補助金を支出してきた。この約8兆円は事実上、政府が赤字国債を発行して賄っている。私たちが支払うガソリン価格が低く抑えられるのはウェルカムだが、いずれこの「国の借金」を私たちが税金として負担しなければならない。

   このため政府は段階的に補助金の縮小を進めている。直近では24年12月に続き、25年1月16日に補助金を減額した。レギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は24年の175円から180円を経て、185円となる見込みだ。小売価格は各地の店舗次第だが、いずれも5円程度の値上げになるとみられる。

   今後、ガソリン価格はどう推移するのだろうか。

   政府は185円を上回った場合、補助金をどうするのかについて「状況を丁寧に見定めながら検討する」としており、態度を明確にしていない。

日銀の金融政策・為替レートがカギ

   鍵を握るのは為替レートだろう。現在の1ドル=150円台の円安ドル高水準が続く限り、ガソリン価格は下がりそうにない。日銀が金融政策を変更し、一段の利上げに踏み切れば円高方向となり、ガソリン価格が和らぐ可能性がある。

   原油価格はどうか。米国の原油指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物は1月15日、約5か月ぶりに節目となる1バレル80ドルを上回った。しかし、原油価格(WTI)は2008年に史上最高値となる1バレル147ドル台をつけた時代に比べれば、1バレル70~80ドルで、高水準ながらも比較的安定している。

   楽観的な見方としては、米国でトランプ政権が誕生し、公約通り原油生産を拡大すれば、世界的に原油価格が低下する可能性はある。

   ガソリン価格に限らず、現在の日本の物価上昇は原油価格よりも円安の影響が大きい。現状の為替水準続く限り、政府はガソリンへの補助金を簡単には撤廃できないだろう。当面、ガソリン価格は1リットル当たり185円前後で推移し、さらに上昇する可能性も否定できない。

(ジャーナリスト 岩城諒)

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