コロナ補助金で生き延びた「ゾンビ企業」にトリプルパンチ
J‐CASTニュースBiz編集部は、調査をまとめた帝国データバンク情報統括部の橋本伊織さんに話を聞いた。
――全体的に飲食店の倒産が過去最多を記録しましたが、ズバリ一番大きな理由は何でしょうか。
橋本伊織さん ひとことで言うと、キャッシュアウト(資金の流出)が増えていることが原因です。
コロナ禍の最中は、休業・時短営業に伴う協力金やゼロゼロ融資などの支援があり、小規模事業者では「店を開けるより儲かる」といった話も聞かれました。手厚いコロナ補助によって2022年までは倒産が抑制されていました。
ビジネスモデルに課題がある飲食店も「ゾンビ企業」として生き延びてしまったのです。ところが、補助金やコロナ融資も終わり、返済しなければならなくなりました。
そこに、円安による原材料費の高騰、さらに物価高が加わり、消費者が節約志向もあって飲食店に足を運ばなくなりました。
――コスト高とお客の減少というダブルパンチですか。
橋本伊織さん さらに、人件費の高騰が加わりました。アフターコロナでは経済が回復し始めたために、どこも人手の確保に躍起です。人件費が上がり、昨今の賃上げの動きに大手飲食店チェーンは対応できますが、中小・零細の飲食店では、働き手の確保に苦慮する所も多いです。
経営者の高齢化や体調不良などで、経営者の引退とともに店をたたむところも出ています。