タレントの中居正広さん(52)の女性トラブルについて、フジテレビの港浩一社長(72)ら幹部が2025年1月17日に臨時の定例会見を同局で開き、女子アナ接待の常態化について、港社長は、「そういうことはなかったと信じたい」と苦しい表情で釈明した。
かつて「小港さん」として自局番組に出演し、「柔和な人柄」とされたが、記者の質問に顔をしかめる様子が報道写真に見られた。「対応に関する判断は私の責任となります」と認めたが、自らの進退については言及しなかった。
会見の動画撮影は認められず、民放各局は質問もできず...
中居さんのトラブルでは、週刊文春が続報を次々に打ち、女性との食事会を設定したとして社員の関与を指摘するばかりでなく、港社長自身も過去に女性アナ接待に関わっていた疑惑を報じていた。
フジテレビは17日夕現在も、「当該社員は会の設定を含め一切関与しておりません」との声明を企業サイトに載せており、この日の会見でも、港社長らは、女性トラブルへの社員の関与を否定したと報じられた。
フジテレビのウェブ版ニュース「FNNプライムオンライン」によると、港社長はまず、トラブルに社員が関与したという報道でこれまで説明できなかったことなどを謝罪した。そして、「第三者の視点を入れて、あらためて調査を行う必要性を認識しました」として、「第三者の弁護士を中心とする調査委員会」を立ち上げることなどを明らかにした。
会見出席を認められた各社の報道によると、港社長はその後の質疑応答で、女性アナらの接待が常態化しているか聞かれ、「番組などの活動にあたって、取引先と懇親の場を持つことはある」としたものの、「私はそういうことはなかったと信じたい」と説明した。その一方で、女性トラブルに社員の関与があったかも含め、「調査委員会の調査に委ねたいと思います」と述べた。
各社報道によると、質問は、通常会見に出席している社に限られ、会見の動画撮影は認められなかった。オブザーバー参加の他の民放各局は、質問もできなかったという。ピリピリとした雰囲気の中、記者からの質問は止むことがなく、会見は2時間近くに及んでいた。
フジテレビの体質がこれで変わるのかどうかは未知数
ところで、会見を主導した港社長は、いったいどんな人物なのだろうか。
これまでの報道などによると、早稲田大学第一文学部を卒業した後の1976年にフジテレビに入社した。社内では、主に制作畑を歩き、特にバラエティ番組のプロデュースに手腕を発揮した。人気お笑いコンビ「とんねるず」を発掘したのも港社長だとされ、「とんねるずのみなさんのおかげです」などの番組を手がけた。
番組内では、自らも出演しており、とんねるずの木梨憲武さん(62)が「小港さん」と呼んでモノマネを披露したことで知られている。
フジテレビの社長には22年10月に就任し、同じグループに当たるサンケイスポーツの同月9日付インタビュー記事によると、港社長は、「柔和な人柄が魅力」で、フランクなイメージだが、実は気配りの人だという。座右の銘は「軽く野放し」で、社員には「思いっきりやれよ」と野放ししていたといい、「自由にやらなければ面白いものはできない」との持論をぶっていた。
ただ、社長就任直前には、その資質を疑問視するような報道も一部であった。週刊文春が、銀座の超高級クラブで働いていた30歳ほど下の女性との不倫旅行を14年に報じたことを再掲載し、上層部からかわいがられて抜擢されたが、社内の若返りが進んでいる中で会社が衰退すると批判が多い、と指摘していた。
今回の会見では、港社長は、座右の銘の言葉のように、懇親会について、「親睦はあるが自由参加。そういうような、ほのぼのした会と僕は認識している。打ち上げやるよと言えば、来たい人が来る、というイメージ」などと説明したという。とはいえ、記者の質問に対し、第三者委員会が日弁連のガイドラインに基づくものかどうかも明らかにしなかったといい、本当にフジテレビの体質がこれで変わるのかどうかは未知数だ。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)