新宿駅内で行われている「鳩被害対策グッズ」の実証実験が、2025年1月上旬ごろからXで大きな関心を集めている。調べてみると、実は筆記具メーカーの取り組みだった。狙いや、導入後の効果を聞いた。
目のパーツはアルミ製、複雑で立体的な反射光を放つ
発端は、Xユーザー(@Me2_WWWed_Ais1V)さんが9日夕、新宿駅西口地下の交番裏を捉えた写真を投稿したことだ。壁面下部に「鳩被害対策グッズの実証実験中」と書かれた張り紙とともに、円盤型に印刷されたフクロウの写真が設置されている。ただ、前の通路には20羽以上の鳩が確認できる。
投稿は10万件超の「いいね」を集め、「実験失敗?」「これバカにする人いるけどめっちゃ減ってるよ」「実験の前後で鳩が何匹減りました、とか何日で慣れましたみたいな情報が欲しいな」「効果がないことがわかれば、実証には意味がある」などと、実験への注目度が高まっている。
投稿者はJ-CASTニュースの取材に14日、投稿の意図としては実験自体の意義を馬鹿にしている訳ではなく、あくまで「絵面が面白い」と感じたとする旨を説明した。
一方で先の張り紙に記載されていた問い合わせ先が、高級ボールペンの製造・販売などを手がけるティアラ(東京都練馬区)だった。同社の広報担当は取材に対して15日、取り組みの実施経緯を下記のとおり答えた。
「他製品の企画開発の際にうまれたデザインカット(金属切削による装飾的な加工)が鳥害被害にお困りの方のお役に立てるのではないかという発想がきっかけです」
対策グッズの本体はペット樹脂、特徴的な目のパーツはアルミで出来ている。同社の金属切削加工を活かし、複雑で立体的な反射光を放つという。目などの試作後に自宅マンションで実験を始め、各所に相談しながら、現在は新宿を含めて3か所で実験している。