キム「いつかは戦う相手として常に想定」
そして、こう続けた。
「もうひとつは、グッドマン選手でも、キム選手でも井上選手が圧勝することに変わりがないということ。おそらく興味を惹かれるのは、キム選手が日本人選手に対して7戦7勝という実績を残していることでしょう。ただ、井上選手の実力は日本人の『枠』ではない。だから日本人うんぬんかんぬんではない」
スポーツ紙の報道によると、キムは大橋ジムを通じ、「井上尚弥選手がスーパーバンタムに上げてから、いつかは戦う相手として常に想定しながら研究もしていました」などとコメント。井上戦に気合十分だが、金平会長は試合の展開を、こう予想した。
「キム選手がどれぐらい頑張れるか。スピード、パンチ力、すべての面で井上選手が何枚も上なのが分かっている。仮にグッドマン選手のままだったら、この予想が変わったかというとそうではない。井上選手の圧勝ということは変わらない。キム選手がタフで頑張る選手であることは分かっている。ただ、キム選手がいかに丈夫といっても、『井上選手の攻撃にどれくらい耐えられるのだろうか』ということしかない」
プロモーターとして数多くの世界戦をプロモートし、会長として戦略を練ってきた金平会長。今回、井上に対するキム陣営の戦略について、次のように分析した。
「スピードが違うから相打ちは考えられない。(ルイス)ネリのような破壊力のあるパンチを振るってくるわけでもない。そして、おそらく井上選手のパンチがよく当たると思います。だから、とくにかく毎ラウンド頑張ること。私がキム選手陣営のセコンドだったら、『相手が井上尚弥だと。とにかく1ラウンド、1ラウンド、このラウンドが最後のラウンドだと思って向かっていけと』。半ば精神論みたいな話をするしかない」
キム戦が25年の初戦となる井上。防衛に成功すれば、年内に米ラスベガス、サウジアラビアでの試合が計画されている。