「経営のプロ」コンサル会社、過去最多の倒産 調査担当者が明かす「勘違いコンサル」の実態

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無資格でもOK、スマホ1台で開業する脱サラ組が多い

   J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を担当した東京商工リサーチ情報部の櫻井浩樹(さくらい・ひろき)さんに話を聞いた。

――「経営のプロ」であるコンサル業界で倒産が過去最多とは、ブラックユーモアのような事態ですが、経営が苦しい中小企業から見たら笑えない話です。ズバリ、一番大きな理由は何でしょうか。

櫻井浩樹さん コンサルタント業界は成長業界ですが、参入障壁が低く、競争が激しい業界でもあります。販売不振や既往のしわ寄せなどを含む「不況型倒産」が全体の66.2%を占め、事業上の失敗も15.5%に達します。

会社を設立したのはよいが、販売不振や赤字などで思うような業績が上げられなかったことが一番大きいと思います。

――参入のハードルが低いといっても最低限、中小企業診断くらいの資格は必要なのではないですか。極端な場合、自宅を事務所にしてスマホ1台あれば開業できる、つまり脱サラ組が多いということでしょうか。

櫻井浩樹さん そのとおりです。コンサルタントを名乗るのに特別な資格は必要ありません。他業種と異なり1人でも開業でき、脱サラ組も参入しやすい業界です。

ただし、参入が容易な分、人とのつながりや紹介に頼り、実績や特色を打ち出せないと生き残りは厳しいでしょう。また、脱サラの場合、人脈つながりで最初は受注があっても、実績や結果次第で顧客は離れますので、シビアな世界であることは間違いありません。

また、今回調査は負債総額1000万円以上の企業倒産が集計対象で、負債1000万円未満の倒産、それと廃業は集計に含んでいません。つまり、脱サラ組の休廃業まで集計に含むと、今回の数字以上になるのは間違いありません。
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