若い世代は「日本語力」に不安
文化庁の「国語に関する世論調査」(2021年度)によると、16~19歳の4人に3人(76.2%)が「言葉や言葉の使い方について自分自身に課題がある」と思っている。その理由は「敬語を適切に使えない」が50.5%で最も多く、「改まった場で、ふさわしい言葉遣いができないことが多い」も49.5%だった。
この背景について、「高校生はアルバイトくらいしか、知らない大人と話す機会がない。敬語を使う日常的な環境がない」とベテラン教師は嘆く。「家庭や学校教育に問題がある」とみる塾講師もいる。言葉遣いの学びが軽視されがちで、コミュニケーションの場で敬語を使う練習も足りない。さらに、テレビやインターネットメディアの出演者が正しい敬語を使っておらず、「タメ口」でしゃべることも影響しているのではないかという。
いずれにせよ、高校生のせいにするのではなく、彼らをとりまく環境に目を向けるべきだろう。大学入試の面接対策として敬語をとりあげる進学情報サイトも複数ある。敬語に悩む高校生の姿は、若い世代が自覚する「日本語力」の不安を浮き彫りにしている。
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(ジャーナリスト 橋本聡)