首都圏のある高校での話だ。
2学期の期末試験が近づいてきた日、教職員室に男子生徒が入ってきた。元気よく、「〇〇先生、いますか?」。先生が机から顔をあげて、「違うなあ。『いらっしゃいますか』だろ。入ってくるところから、やり直しなさい」。
敬語をうまく使えない高校生が増えている。教える側も、さまざまな工夫をはじめている。高2向けに敬語のロールプレイングの授業案を作り、ネット上で公開している国語教師は「面倒だ、難しいという生徒の声も多い。敬語を使う抵抗感を減らしたい」とねらいを話す。
留学生向け「ハイパー敬語入門」、わかる?
外国人に日本語を教える「日本語教育」のノウハウを、日本人の高校生の授業で活用する学校もあらわれた。日本語教育は、日本語を母語としない人たちが日常生活を営めるように、「読む」「書く」「話す」「聞く」の4技能を学ばせる。そのため国語教育と異なり、ドリルやコミュニケーションの練習を重視する。そのパターンは東京都立大学の留学生向けサイト「ハイパー敬語入門」にみることができる。簡略化して紹介すると。
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学生:(1)〇〇。先生、ちょっとお願いしたいことがございまして、少しお時間を(2) 〇〇よろしいでしょうか。
先生:あ、はい。何ですか?
学生:あのう、今度、奨学金を申し込もうと思いますが、募集要項にですね、指導教員の推薦が必要だということが書いてありまして、今日は先生に推薦書を(3)○○ということで伺いました。
○○に入る言葉を選んでください。
(1)失礼になります/お失礼します/失礼です/失礼します
(2)くれても/あげても/いただいても/お使いになっても
(3)書いてくれないか/お書きになるか/お書きにするか/書いていただけないか
答えは最後に掲載。
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