25年はWBC世界バンタム級王者・中谷潤人との対戦はなし
日本人ボクサーとして初めて東京ドームでメインを務めたネリ戦。世界中の注目が集まる中、井上は1ラウンドにネリの左フックでダウンを喫した。プロ入り後、初となるダウンだった。絶対王者のまさかのダウン。ファンの不安をよそに、リング上の井上は冷静そのものだった。
ダメージを引きずることなく、2ラウンドにダウンを奪い返すと、5ラウンド、6ラウンドにもダウンを奪い、結局6回TKOでネリを破った。再三にわたり挑発されてきた「因縁」の相手に逆転TKOで勝利。金平会長は、ネリ戦勝利の意義を、次のように解説した。
「ネリを倒す前からスーパーバンタム級では敵がいないと思っていたが、ネリを破って、なおのことその印象を深くした。『やっぱりね』と。1ラウンドのダウンは不覚の一発で、その後の対処を間違えると、もしからしたらネリに持っていかれた可能性もあった。そこを冷静にうまく対応した。パンチが効いてダメージはあったと思うが、揺るがなかった。そういうところを含めた強さだと思います」
24年の試合は、9月のドヘニー戦が最後となったが、当初の予定では、12月24日にWBO・IBF世界同級1位サム・グッドマン(オーストラリア、26)との防衛戦を予定していた。ところが、グッドマンが練習中に左目上をカットし、試合は1か月延期となった。
25年の初戦は1月24日のグッドマン戦となる。スポーツ紙の報道によると、春に米ラスベガス、秋にサウジアラビアでの試合が予定されている。
25年は3試合が見込まれている。この中には、注目されているWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(26)との対戦はないという。井上が所属する大橋ジムの大橋秀行会長(59)が明らかにしたのもので、実現するとしたら26年以降になるようだ。