歌手の星野源さんが2024年の大晦日に放送された「第75回NHK紅白歌合戦」(NHK総合など)で、デビューアルバムに収録されている楽曲「ばらばら」を披露した。パフォーマンス中の星野さんの様子などについて、SNSで注目を集めた。
「性加害は決して許さないという姿勢」
当初の発表では、星野さんも出演した映画『地獄でなぜ悪い Why don't you play in hell?』の主題歌で、同映画の監督を務めた園子温氏からのオファーを受け書き下ろされた楽曲「地獄でなぜ悪い」を披露するとしていた。
園氏に性加害疑惑が報じられていたことなどを背景に、SNSでは、あえて今年この楽曲を披露するという選択について疑問の声が上がった。反響を受け、NHK紅白歌合戦は2024年12月26日に、曲目を変更すると発表した。次のような説明もあった。
「アーティストはもちろん、NHKも性加害は決して許さないという姿勢であることは言うまでもありません。
しかし、曲目発表後の反響を受け、あらためて紅白制作チームとアーティストサイドで協議を行い、番組全体の構成や演出面などから判断し、星野 源さんの歌唱曲を、デビューアルバムに収録されている『ばらばら』に変更することを決定しました」
31日の紅白歌合戦では、暖色のニットにチェーンのネックレスをつけ、金の指輪をつけた冬らしい出立ちで登場した 星野さん。
「みなさんこんばんは、星野源です。よろしくお願いします」と挨拶した星野さんは、やや硬い表情にも見える。
司会の伊藤沙莉さんが、視聴者から寄せられた「ライブで聴いて、思わず涙してしまいました。自分の周りの人間関係や、世の中で起こっているやるせない出来事に悩まされたときは、いつもこの曲を聴いて元気を出しています」とのメッセージを読み上げた。
星野さんは「ありがとうございます、うれしいです。頑張ります」と表情を崩さずうなずいた。
「本物はあなた わたしは偽物」→「本物はあなた わたしも本物」
アコースティックギターを手にした星野さんは、歌い出しの前に数秒時間をおいてギターを鳴らし、「ばらばら」を歌い始めた。
この日は、アルバムでは「本物はあなた わたしは偽物」とされていた歌詞を「本物はあなた わたしも本物」と変更。テロップも同様に変更されていた。曲の終盤には、やや間を置きつつ、「みなさん。......良いお年を」と呼びかけた。
他のアーティストらの多くはパフォーマンスの終了後に司会の有吉弘行さんらとやりとりをするが、この日の星野さんは有吉さんが「最後、よかったね」とコメントしたのみだった。
直後のラジオ番組で「自分にとってはとても大事な曲」
SNSでは、星野さんの様子について違和感を覚えたとの投稿が。全体を通してやや硬い表情に見えたことなどから、星野さんの心情をおもんばかるコメントが寄せられたほか、「よかった」という声が多い。
「なんとなくなんだけど、星野源さんは、『みなさま、よいお年を』じゃないことを言いたくて、言おうとして、やっぱり言わなかったような気がする」
「冒頭から無表情だったけど何を思いながらばらばら歌ったんだろうな」
「テレビ越しでも 源さんの眼差しに なんともいえない感情が伝わり 圧倒されました」
星野さんに寄り添う意見が多い一方で、歌唱後に司会者とのやりとりもなく、終始やや硬い表情のままだったことなどから「あの態度はないだろ」とする声もある。
星野さんの公式Xは、「星野源が『第75回NHK紅白歌合戦』に出場しました! 皆さんご覧いただきありがとうございました。2025年までもう少し。良いお年をお過ごしください」と伝えた。
また、星野さんは1日深夜1時放送のラジオ番組「星野源のオールナイトニッポン」(ニッポン放送)に出演し、紅白歌合戦で披露した「ばらばら」をオンエア。リスナーからのメッセージに感謝するとともに「自分にとってはとても大事な曲」などと自身の思いを伝えていた。
第75回NHK紅白歌合戦
— NHK紅白歌合戦 (@nhk_kouhaku) December 25, 2024
星野 源さんの曲目変更のお知らせhttps://t.co/etxKnT6jOd pic.twitter.com/9hhqeuOY75