2024年11月の衆院選で議席を伸ばした国民民主党は、直後に玉木雄一郎代表の不倫スキャンダルが発覚し、玉木氏は3か月の役職停止中だ。「一兵卒」だが、メディアへの露出は活発で、「スポークスマンの1人」を自任する。他党からの「処分された人はおとなしくしておくべき」という声には「四の五の言われる筋合いはない」と言い切る。
インタビュー後半では、メディア対応のあり方や、25年7月に控える参院選の対応について聞いた。衆院選では候補者不足で他党に3議席を明け渡した国民民主にとって、大量の候補者擁立は急務。「会った人に息を吐くように」声をかけているとする一方で、当選する人が増えてきた分、「身体検査」を強化する必要性にも言及した。(聞き手・構成:J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)
公認候補者が決まったことを新聞で知る
――このようにいろいろなことをお話しいただいていますが、役職停止になっても、このインタビューを含めてメディア露出は活発です。処分前に比べて、逆に忙しくなっていませんか。
玉木: いやいや、党内の役員会など一切出してもらえないから暇ですよ。この間なんか、公認候補者が決まったことを新聞で知りましたから。意思決定には一切関わっていません。その分、党や仲間を助けるためにも、フォロワー数も多いし発信力もそれなりについてきたので、決まったことはしっかりアナウンスしていきます。スポークスマンの1人として、対外的にアピールすることは、今自分ができることとして、党に最大限協力したいということで取り組んでいます。
―― 他党からは「処分された人はおとなしくしておくべき」との声もあがっています。
玉木: 党として、意思決定には関わらないけれども情報発信は個人としてやっていい、ということですから、その決まった範囲の中でやっているのを、他党から四の五の言われる筋合いはありません。それで「けしからん」と支持率が下がっているのならともかく、上がっていますから。やはり大事なのは。政治の状況が変わって、政策がブラックボックスで、特に税制は「インナー」という自民党の限られた人でしか決められなかったことが、私達が関与することによってオープンになってきたので、その過程や解釈、中身を、きちんと説明することが我々の責任だと思っています。決まったことについては、きっちり解説したり説明したりして、これまで以上に発信を強化していきたいと思っています。
―― 玉木代表のスキャンダルが「FLASH砲」で報じられたのは、特別国会がスタートした11月11日朝。これで政党支持率は下落すると思っていましたが、逆に右肩上がりです。スキャンダルのインパクトが小さかったのか、それとも政策がそれだけ支持されていたのか......。
玉木: 当初から多かったのは、「家族の問題だから、家族でしっかり処理してくれ、話し合ってくれ」という声です。政策について「選挙で掲げた以上、実現してくれ」という声が圧倒的に多かったのは事実ですね。
―― 個人的には意外でした。
玉木: 結構冷静ですよね。我々の支持率は特に若い人で高く、逆に60歳以上だと3~4%程度です。今回の私の問題に関しても、「問題だ」という人の割合は高齢者になればなるほど上がっていきましたが、若年層であればあるほど「むしろ仕事で」という人が多いですね。