東海道新幹線の車内で愛用のバイオリンを荷物棚に乗せていたら、隣の乗客が勝手に持っていこうとした――。クラシック音楽家の男性がXでこう報告し、注意を呼びかけている。
男性は、JR東海に連絡するとともに、今後警察にも相談するという。どんな状況だったのか、この男性に話を聞くとともに、JRに置き引き対応について取材した。
30~40歳ぐらいのアジア系の男が、隣の席を立って...
Xで投稿したのは、東京オペラNEXTのコンサートマスターなどをしている有賀叶(かなう)さんだ。
東京オペラNEXTは、世界的指揮者の故・小澤征爾氏の教えを引き継ごうと、2024年4月に設立された。オペラを中心にクラシック音楽を広めるため、所属のNEXT管弦楽団が各地で公演活動をしている。
有賀さんは12月26日、自らのXアカウント(@Kanau_Ariga)で盗難について注意喚起した。
投稿や有賀さんがJ-CASTニュースの取材に答えたところによると、有賀さんはこの日、午前8時39分に新大阪駅から新幹線に乗車し、東京に向かった。新幹線が9時29分ごろ、名古屋駅に到着すると、30~40歳ぐらいのアジア系の男が隣の席を立って降りようとして、荷物棚に乗せた有賀さんのケース入りバイオリンを、まるで自分の所有物であるかように持ってこうとしたという。
「これは私の物だしあなたは何をしているんだ?」。驚いた有賀さんが英語で問いただすと、この男は、有賀さんに謝罪するようなジェスチャーをした。
ところが、男は、さらに有賀さんの荷物の中から上着を持って行こうとしたという。これに対し、有賀さんは、さすがに確信犯ではないかと思い、この男に小言を言うと、男は、手ぶらで去って行ったという。
もし寝ていたら盗まれていた可能性が高いとして、有賀さんは、新幹線に楽器などを持ち込むときは注意するように呼びかけている。
最初の投稿は、8万件以上の「いいね」が集まっており、同じような体験をしたとの声も寄せられている。