企業の2025年景気見通し...「回復」局面5年ぶり1割以下、「悪化」増加 ポイントは「個人向け減税」で消費拡大なるか

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「回復」予想が高い『金融』でも、決して見通しはよくない

――悪化局面の予想では、「小売」がずば抜けて高く、「農・林・水産」「建設」と続きます。それぞれの理由は何でしょうか。

中村駿佑さん 「小売」では、引き続き原材料費の高騰や食料品・生活必需品の値上げなどにより、個人消費が伸び悩むことへの懸念が非常に大きくなっています。

たとえば、「更なる電力値上げや原材料・物流費の高騰など各種コストアップによる企業の収益悪化に加え、消費者心理の冷え込みにより先行きが見通せない」(愛媛県の飲食料品店)といった声が寄せられています。

また、「農・林・水産」「建設」に関しても、人手不足や原材料・資材価格の高騰が懸念されています。「世界・国内ともに社会情勢が混とんとしていて、見通しが厳しいと考えている」(福岡県の建設会社)といった声があがっています。

―― 一方、回復局面の予想では、「金融」が突出して高く、「悪化」でも最低です。この理由は何でしょうか。やはり、日本銀行の利上げなどが影響しているのでしょうか。

中村駿佑さん 「金融」の「回復局面」が業界別の中では最も高いとはいえ、わずか10%ほどであり、「踊り場局面」と「分からない」が合計で70%以上を占めています。

そのため、決して見通しがよいというわけではなく、不透明感が高まっているといえます。金融関連の企業からは、トランプ氏の政策の行方を懸念する声が多くあがっており、見通しが立たないようです。
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