厳しい結果だが、総じて景気は下振れリスクを抱えつつ横ばいに推移
J‐CASTニュースBiz編集部は、調査をまとめた帝国データバンク情報統括部の中村駿佑さんに話を聞いた。
――今回の調査内容、アフターコロナ禍としては、一番厳しい景気見通しになりましたが、担当者としてどのように評価しますか。
中村駿佑さん 予想通り、厳しい結果となっていますが、総じて景気は下振れリスクを抱えつつも横ばい傾向での推移を見通しています。半導体・再開発などの設備投資やインバウンド需要の好調さは引き続き維持される見通しです。
一方で、政策金利の引き上げのほか、人手不足や急速な円安による原材料費の高騰、食料品・生活必需品の値上げなどにより、個人消費の回復が十分といえない状況です。また、中東情勢やロシア・ウクライナの地政学的リスク、トランプ次期米大統領の経済政策の行方など、海外動向は先行きの不透明感に影響を与えています。
良い面もありますが、悪い面がやや目立つ調査結果でした。
――2024年の日経平均も過去最高レベルに上昇、賃上げも30年ぶりの高水準と明るい材料が多いと思われたのに、2025年の見通しがこれほど厳しい結果になったのは、ズバリ、何が一番大きな理由でしょうか。
中村駿佑さん 調査結果によると、最も大きな要因は「原油・素材価格(の上昇)」でした。一昨年(2022年)や昨年(2023年)よりも価格の上昇率は控えめとなりましたが、なかなか下がることはなく、高止まりしていることが大きな要因となっています。
企業からも、原油価格の上昇による資材・輸送費の高騰を懸念する声が多く寄せられました。