2024年の元旦に発生した能登半島地震から約1年。地震情報の入手にスマホややテレビはどう活用されたのか。
NTTドコモのモバイル社会研究所(東京都千代田区)が2024年12月11日に発表した調査「【防災】能登半島地震 最初に接した手段は震源に近いとインターネット経由が多い」によると、意外なことに震源地に近いほど、第一報入手にスマホを活用する割合が高くなる。
いったいなぜか。災害時にスマホをどう活用したらよいか。調査担当者に聞いた。
石川県は全国で唯一、震災をスマホで知った人がテレビを上回る
モバイル社会研究所の調査(2024年11月)は、全国の15歳~79歳男女1万355人が対象。
まず、能登半島地震発生の情報を最初にどんな手段で知ったかを聞くと、3人に2人がテレビと答えた。発生日時が元旦だったため在宅していた人が多かったことが影響していそうだ。
インターネットを通じて情報を得た人は26.5%。インターネット経由の内訳は「SNS」「サイト閲覧」「スマホの防災系アプリ」「エリアメール・緊急速報メール」の順だった【図表1】。
興味深いのは、地域別(回答者の住所)にどんな手段で最初に地震の情報を知ったかを聞いた結果だ。インターネット経由で知った割合を都道府県別に見たのが【図表2】だ。
震源に近いほどその割合が高く、震源から遠くなるほど、テレビの割合が高くなる。震源地の石川県は全国で唯一インターネット経由(44%)がテレビ(41%)を上回った。
次に年代別にインターネット経由とテレビの割合を調べると、20代は両者が拮抗。年代が上がるにつれテレビの割合が増え、70代では8割以上がテレビで初めて能登半島地震を知った【図表3】。
地震発生時には多くの情報があふれる。さらに、最初に得た情報以外にどのような方法で次々と流れる情報を得たかを調べた結果が【図表4】だ。
最も多かったのはサイトの閲覧。多くの人は最初にテレビを通じて地震の情報を知り、その後インターネットで詳しい内容を調べていた。
モバイル社会研究所では、災害時に役立つ調査結果を多く掲載した「データで見る防災ガイド」を公開している。