キャリアアップでも、ダウンでも、自分が決めて楽しければ全部OK
――最後に、キャリア自律を考えている人々へのエールをお願いいます。
福澤涼子さん キャリア自律はキャリア充実度ともかかわりがあることがわかっていて、キャリア自律ができている人ほど、日々の仕事も楽しんで働いています。
自分のことを自分で決めることで、他人との競争で心身を憔悴することなく、マイペースに自分らしく働くことができるという効果があるのではないでしょうか。
キャリア自律が求められる理由に「エンプロイアビリティ」(雇われる力)が大事だという文脈ももちろんあるとは思いますが、何より自分らしく働くために「キャリア自律」は大事だと思うのです。
私は、キャリアはアップばかりが正解ではないし、例えば子育てのためにあえてキャリアダウンする人も決して間違った選択ではないと思っています。
先行きが見えないこれからの時代に働く私たちは、常に不安だし、常に競争にさらされている感覚があると思います。そうした時代だからこそ、自分の軸でキャリアを築いていくことがウェルビーイングにもつながるはずです。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)
【プロフィール】
福澤 涼子(ふくざわ・りょうこ)
第一生命経済研究所ライフデザイン研究部副主任研究員、慶応義塾大学SFC研究所上席所員
2011年立命館大学産業社会学部卒、インテリジェンス(現・パーソルキャリア)入社、2020年慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了、同大学SFC研究所入所、2020年リアルミー入社、2022年第一生命経済研究所入社。
研究分野:育児、家族、住まい(特にシェアハウス)、ワーキングマザーの雇用。最近の研究テーマは、シェアハウスでの育児、ママ友・パパ友などの育児ネットワークなど。6歳の娘の母として子育てと仕事に奮闘中。