脚本家の吉田恵里香さんが、医大生による性的暴行事件をめぐる、大阪高裁の逆転無罪判決に反対署名したと表明した。
吉田さんはNHK連続テレビ小説「虎に翼」を手がけたことで知られる。「虎に翼」は日本で初めて女性として弁護士、判事、裁判所長を務めた三淵嘉子をモデルに制作されたことから、その脚本家による署名は大きな反響を生んでいる。
反対署名には賛否の声が
問題となっているのは、2022年に発生した、医大生が女子大生に対して、集団で性的暴行を行った事件だ。その様子を動画撮影したとして、医大生3人が強制性交罪に問われていた。
一審では被告3人に有罪判決が言い渡されたが、その後3人とも控訴し、うち2人については24年12月18日に大阪高裁で開かれた控訴審判決で、逆転無罪が言い渡された。
この高裁判決に対して、一部ネット上では批判の声が巻き起こり、署名サイト「change.org」では、「大阪高裁の"医大生による性的暴行"逆転無罪に対する反対意思を表明します」という署名活動が行われている。
これに参加する形で、吉田さんも21日、Xで「署名しました」と、大阪高裁の判決に反対する意思を示した。
判決をめぐる反対署名には、SNS上で賛否両論が出ている。change.orgの説明文では、特に裁判長に対して「怒りの気持ちを表明したい」などとして、大阪高裁と裁判官訴追委員会への送付を目指しているが、判決内容を不服として訴追を求めることは、裁判官の独立性の観点に照らして適切なのかなどとの批判が続出。判決そのものには否定的な立場を取る人々からも、慎重論が出ている。
その一方で、判決への違和感を表明する手段として、反対署名を肯定する声も見られる。現状では賛否が割れているなか、司法を題材にした「虎に翼」で知られる吉田さんの賛同ポストに、失望したとの声も多々見られる。