「日本へ来ると好感度が増す」調査結果
じつは、中国人も実際に日本を訪れると、日本の印象が良くなるといわれる。観光庁の2023年「訪日外国人消費動向調査」によると、中国人客の99%が訪日旅行に満足し、さらに98.2%が再訪したいとの意向を示している。中国人が日本に「良い」印象をもつ理由は、2022年、2023年の日中共同世論調査によると、「日本製品の質は高い」や「日本人は礼儀があり、マナーを重んじ、民度が高い」「日本は経済発展を遂げ、国民の生活水準が高い」などが上位となり、「日本人は真面目で、勤勉で、努力家だから」や「日本の環境は美しく、自然が風光明媚で、温泉等の観光地が多い」などが続く傾向にある。こうした好評価は訪日の見聞によって育まれ、SNSによって拡散される。
中国では、かつてなく「嫌日」感情が高まっている。その理由は政治にからむもので、SNSを通じて広がっている。他方、訪日する中国人客は前年比200%を超えるハイペースで増え続けており、空前のインバウンドの主役になっている。日本にやってきて日本人と交流し、社会を見聞すればイメージが変わり、「親日」の芽が育つかもしれない。
(ジャーナリスト 橋本聡)