高齢の親「お風呂で寝ちゃって...」は命の危険 入浴中の事故招く「ヒートショック」家族を救う6か条

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

お湯につかるのは10分まで

   では、入浴中におぼれる事故を防ぐためには、どうすればよいのだろう。

   政府広報オンラインの記事は六つの対策を呼びかけている。

1)入浴前に脱衣所や浴室を暖めておく
2)湯温は41度以下、お湯につかる時間は10分までを目安にする
3)浴槽から急に立ち上がらない
4)食後すぐの入浴や、飲酒後、医薬品服用後の入浴は避ける
5)お風呂に入る前に、同居する家族にひと声かける
6)家族は入浴中の高齢者の動向に注意する

   このうち1)について、浴室に暖房がない場合、「浴槽に湯を入れるときにシャワーから給湯する」「浴槽の湯が沸いたところで、十分にかきまぜて蒸気を立て、ふたを外しておく」といった工夫もある。

   2)については、温度計やタイマーを用意し、湯温や入浴時間などを「見える化」するようすすめられている。

   3)入浴中は体に水圧がかかっている。急に立ち上がると、その水圧がなくなり血管が一気に広がる。その結果、脳に行く血液が減り、貧血のような状態になり意識を失ってしまうことがある。手すりや浴槽のへりなどを使って、ゆっくり立ち上がるとよい。

   4)は、食事や飲酒によって一時的に血圧が下がるため。また、体調の悪いときのほか、精神安定剤、睡眠薬などの服用後も入浴を控える。

   5)と6)は、もし異変があったときに早く発見するためだ。

   寒い冬のお風呂は心地よい。しかし、うとうとすると、おぼれる危険性がある。俳優・歌手の中山美穂さん(54)は入浴中の不慮の事故で亡くなった。特に高齢者の事故は年々高い水準が続いており、家族とともに対策を確認し、よく注意していきたい。

(ジャーナリスト 橋本聡)

1 2
姉妹サイト