明治ホールディングス傘下の製薬会社「Meiji Seika ファルマ」(東京都中央区)が2024年12月19日、同社社員を名乗る著者による「レプリコンワクチン」をめぐる書籍について、声明を発表した。
「有志数名のチーム」「チームK」名乗る
レプリコンワクチンについては、世界で初めて同社の製品が厚労省で承認され、10月1日から高齢者などを対象に定期接種が始まった。
レプリコンワクチンをめぐっては日本看護倫理学会が8月に安全性を懸念する緊急声明を発表するなど、一部から反対の声が上がり、Meiji Seika ファルマはこれまでも「事実誤認および科学的知見に基づかない問題提起」などと反論を行ってきた。
Meiji Seika ファルマは12月19日、「書籍に関する社内調査より判明した事実について」との文書を公開した。
今回言及したのは、方丈社が9月18日に出版した書籍『私たちは売りたくない! "危ないワクチン"販売を命じられた製薬会社現役社員の慟哭』だ。
同書の著者は「チームK」で、方丈社公式の説明によると、同僚の突然の死をきっかけに結成された「有志数名のチーム」であり、「『今後新たなワクチン薬害を広めないように』と、本書の執筆開始を決意した」としていた。
「執筆に関与した当社関係者は当該社員以外に存在せず...」
Meiji Seika ファルマは同書について、「当社の関係者が関与しているとの情報」があったことを明かし、「同書籍が出版された経緯について社内調査を行い、以下の事実が判明しました」と詳細をつづった。
1.同書籍の執筆に関わった当社社員は1名(以下、当該社員)のみであり、同書籍の著者として記載されている、当社内の現役社員グループによる編集チームとされる「チームK」は実在しない
2.当該社員は、「チームK」の名前の由来とされる元社員(故人)とは、面識及び業務上の接点はなかった
3.また、当該社員は数年前よりSNS等を通じて、新型コロナワクチンの接種に反対する動画等を複数回にわたり配信していた
4.加えて当該社員は、ワクチン接種に反対する人物等とも接点を持ち、同書籍とは別の共同著書も過去に出版していた
こうした背景から、「同書籍の執筆に関与した当社関係者は当該社員以外に存在せず、『チームK』も実在しないことが明らかとなりました」という。
「多くの社員が誇りを持って取り組んでいます」
出版の経緯を明かした理由について、これまでは亡くなった元社員の家族への配慮としてコメントを控えてきたが、メディアでの報道や、SNSで憶測に基づく不正確な情報が広まったことを受け、「当社として、元社員のご家族や当社社員を含む関係者に誤解やその他の影響が生じないよう、真実をお伝えする必要があると考え、本日の公表に踏み切る判断をいたしました」という。
「方丈社に対しては、同書籍を正確な記載に訂正する要請をしております」とも明かした。
なお、書籍に「当社社員の多くが次世代m-RNA ワクチン(レプリコン)を『売りたくないと思っている』という記載」があったことに触れ、「次世代m-RNAワクチン(レプリコン)を新型コロナ感染症の予防接種に供することについて、多くの社員が誇りを持って取り組んでいます」とした。
Meiji Seika ファルマによる声明はSNSでも拡散され、驚きが広がっている。