プロボクシングのWBA世界スーパーバンタム級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン、30)の陣営が、スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、31)との対戦を猛アピールしている。
「なぜ井上は俺を避けるんだ?」
英ボクシング専門メディア「ボクシングニュース」(ウェブ版)が2024年12月17日に報じた。
WBA・IBF世界スーパーバンタム級の元王者でもあるアフマダリエフは、23年12月にWBA同級の指名挑戦権を獲得した。世界ランク1位の指名挑戦者として井上との対戦を待ち望んでいたが、井上戦は実現していない。
WBAは、同団体のスーパー王者である井上のスケジュールなどを考慮し、指名試合の期限延長を容認。これにより、アフマダリエフに暫定王者決定戦の機会を与え、アフマダリエフは12月14日に行われた暫定王座決定戦を制して暫定王座を獲得した。
指名挑戦者として1年以上、対戦待ちの状態のアフマダリエフは、海外のボクシング専門メディアを通じて再三にわたり井上を挑発してきた。
そして、14日の試合後、井上戦について「なぜ彼(井上)は俺を避けるんだ? もし俺と戦いたくないのなら説明が必要だ。俺が世界王者だった時、俺はルールに従った。彼もルールに従うべきだ」と主張したという。
「ボクシングニュース」によると、アフマダリエフのマネジャーを務めるワディム・コルニーロフ氏も、井上との対戦を猛アピールしている。
「今回の事態は何が起こっているのか不思議」
コルニーロフ氏は同メディアの取材に対して、「彼(井上)は本当に特別なファイターだと思う。だから、今回の事態は何が起こっているのか不思議なんだ。それほどまでにMJ(アフマダリエフ)を避けたいと思うほど、彼はMJを高く評価しているのだろうか?」と語ったという。
記事では、「井上がアフマダリエフとの対戦を回避し続けるのならば、アフマダリエフの次戦は、また暫定王座のタイトル戦になる可能性がある。コルニーロフは、彼らがどの道を選ぶかどうか確信が持てない」と指摘した。
再三にわたるアフマダリエフの挑発に対して、井上は15日にXを更新し、「なんでタパレスに負けたやつから逃げなきゃいけないんだ 必要性がゼロだろ、、、戦いたいなら勝ちを『価値』キープして待っとけ!!今はグッドマン戦に全力集中」とのコメントを投稿した。
アフマダリエフはWBA・IBF世界スーパーバンタム級王者時代の23年4月にマーロン・タパレス(フィリピン、32)の挑戦を受け、判定負けで王座から陥落。2団体王者となったタパレスは23年12月に井上と4団体王座統一戦を行い、10回KO負けを喫した。