20代の転職、「未経験職」への挑戦が増加 6割が年収アップ!...アピールの秘訣は?(2)/「doda」編集長・桜井貴史さん

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   中途採用でも「未経験者可」の求人が増えている。20代の転職者の多くは未経験職への挑戦だが、年収アップを期待することが可能になった。

   人材総合サービスのパーソルキャリア運営する転職サービス「doda(デューダ)」が2024年12月4日に発表した「20代 未経験職種への転職時 決定レポート」によると、未経験分野への挑戦で年収アップが目立つ前職がある。

   それは何か。そして、どんなスキルと心構えを持って新天地に挑戦すればいいだろうか。「doda」編集長の桜井貴史さんに話を聞いた。

  • さあ、未経験の新分野で頑張るぞ
    さあ、未経験の新分野で頑張るぞ
  • (図表1)20代 未経験職種への転職者の平均決定年収の推移と、年収アップした個人の割合(転職サービス「doda」作成)
    (図表1)20代 未経験職種への転職者の平均決定年収の推移と、年収アップした個人の割合(転職サービス「doda」作成)
  • (図表2)20代 前職「クリエイター・クリエイティブ職」から未経験職への転職した際の年収の変化(転職サービス「doda」作成)
    (図表2)20代 前職「クリエイター・クリエイティブ職」から未経験職への転職した際の年収の変化(転職サービス「doda」作成)
  • (図表3)20代 前職「営業職」から未経験職への転職した際の年収の変化(転職サービス「doda」作成)
    (図表3)20代 前職「営業職」から未経験職への転職した際の年収の変化(転職サービス「doda」作成)
  • (図表4)20代 前職「事務・アシスタント」から未経験職への転職した際の年収の変化(転職サービス「doda」作成)
    (図表4)20代 前職「事務・アシスタント」から未経験職への転職した際の年収の変化(転職サービス「doda」作成)
  • 桜井貴史さん(本人提供)
    桜井貴史さん(本人提供)
  • さあ、未経験の新分野で頑張るぞ
  • (図表1)20代 未経験職種への転職者の平均決定年収の推移と、年収アップした個人の割合(転職サービス「doda」作成)
  • (図表2)20代 前職「クリエイター・クリエイティブ職」から未経験職への転職した際の年収の変化(転職サービス「doda」作成)
  • (図表3)20代 前職「営業職」から未経験職への転職した際の年収の変化(転職サービス「doda」作成)
  • (図表4)20代 前職「事務・アシスタント」から未経験職への転職した際の年収の変化(転職サービス「doda」作成)
  • 桜井貴史さん(本人提供)

仕事が「好き」と、「人と関わる力」が大事だ

   <20代の転職、「未経験職」への挑戦が増加 6割が年収アップ!...アピールの秘訣は?(1)/「doda」編集長・桜井貴史さん>の続きです。

――未経験職種への転職は、勇気とチャンレジ精神が必要な行動です。その際の心構えや、どういった点をアピールするとよいのか、アドバイスをお願いします。

桜井貴史さん おっしゃる通り、勇気やチャレンジ精神が必要だと思います。

やってみた結果、自分に合わなかったということもあるため、不安があるのは当然です。また、一定の成果をあげて楽しさを感じるには、新しい知識や経験を得る努力や相応の時間も必要だと思います。

そのため、未経験職種への転職を考える際には、まず現在の仕事を通じて得た自分の強みや、志向・好き嫌いを整理することが大事です。

それは業界・職種特有の専門知識や専門スキルというわけではなく、例えば、顧客の要望を聞き出す力や、周囲を巻き込んで進める力、現状を分析し把握する力など、他職種でも通じる力が自分にあるのか、ないのかを整理することが大事だと思います。

――まず、自分を客観的に見つめ直すということですね。

桜井貴史さん そのとおりです。そして自分のポータブルスキルを確認しながら、次の業種・職種で活かせそうかを考えてみたり、面接などで確認してみたり、アピールをするとよいと思います。

また、スキルと同時に、そういった強みを発揮する仕事が「好きであるか」どうかも重要です。なぜなら未経験転職の場合は、新しい知識や経験を、急いでキャッチアップする必要があり、その点で「好き」ということは大きな原動力になるからです。

最後に、どのポータブルスキルがよりよいかというのは、一概に言えませんが、顧客対応や上司へのレポート、チーム貢献など、人との関わり方に関する力は、多くの業界で求められているポータブルスキルだと思われます。

――「好き」ということと「人と関わる力」が大事だということですが、そうしたことは30代、40代の人が未経験職種に転職して、年収アップを目指すうえでも大事なポイントになりますか。

桜井貴史さん 30代、40代でも未経験職種へ転職できる可能性は十分あります。

ただし20代と違って、これまでの職務経験やスキルセットが豊富な30代、40代は、未経験職種であっても中途採用では即戦力としての期待値が高いです。そのため、「職種が未経験であっても経験がある業種」「近しい領域の職種」など、前職の経験が活かせる領域へ転職するケースが多いです。

また、20代以上に、過去の経験を新しい職種にどう活かせるかをより明確に整理し、伝えることが求められます。新しい職種の解像度を上げるために、友人や同僚など、自身の人脈を使ってその仕事をしている人に仕事内容を聞いてみるというのもよい手段でしょう。

今行っている仕事だって、最初は未経験からのスタート

――ベテランらしい転職戦略ですね。

桜井貴史さん 年収アップに関しては、30代、40代になると元の年収水準が高いこともあり、未経験職種へのさらなる年収アップは難易度が高いのが実態です。

その中でも年収アップを狙うとすれば、たとえば代理店から事業会社へといった商流をあげる形での転職や、管理職経験・プロジェクトマネジメント経験などの市場価値が高いポータブルスキルを活かした転職パターンなどであれば、年収アップが狙えるでしょう。

――最後に、未経験分野にチャレンジする人たちへのアドバイスとエールをお願います。

桜井貴史さん 未経験職種への転職は不安も多いと思いますが、今行っている仕事も、最初は未経験からのスタートでした。

もちろん、転職は新しい環境や人間関係に慣れる大変さもあり、さらに未経験職種への転職は、新しい知識・スキルも得ないといけないため、とても大変だと思います。

一方で、新しい自分の職業観の発見があったり、これまでの経験と新しい経験・知識を組み合わせたりすることで、ユニークなスキル、経歴を持った人材として新しい職場で希少な存在になり、市場価値があがることもあります。

次の転職先で後悔しないためにも、ぜひ友人や転職エージェントとの対話などを通じて自分の強みを整理し、面接等で業務内容を詳しく聞きながらその強みが次の仕事で活かせそうかを考えていただくとよいと思います。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)



【プロフィール】
桜井 貴史(さくらい・たかふみ)
doda編集長

新卒で大手人材会社に入社、一貫して国内外の学生のキャリア教育や就職・転職、幅広い企業の採用支援事業に携わる。
2016年11月、パーソルキャリアに中途入社。新卒オファーサービス「dodaキャンパス」の立ち上げを牽引し、初代dodaキャンパス編集長に。大学生向けサービスの責任者を務める。
2024年4月、doda編集長に就任。サービスを通じてこれまで60万人以上の若者のキャリア支援に携わり、Z世代の就職・転職動向やキャリア形成、企業の採用・育成手法に精通している。

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