売春斡旋、闇バイトや詐欺に手を染め...推しにカネをつぎ込み生活破綻「推し活文化」危ういダークサイド

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   「推し活」という言葉が流行り、はや数年。いまや、この単語の意味がわからない日本人は、ほぼいないと言ってもいい。

   アイドルの追っかけ、アニメファン、配信者への投げ銭など趣味は日々の生活を充実させるのに欠かせないものだが、近頃は推し活の過激化が問題視されている。

   なぜなら、熱量が度を超えるファンが増えたからだ。

  • いきすぎた「推し活」の危うさとは
    いきすぎた「推し活」の危うさとは
  • 筆者のたかなし亜妖さん
    筆者のたかなし亜妖さん
  • いきすぎた「推し活」の危うさとは
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過激なファンは必死過ぎるあまり周りが見えていない

   よくある例は、稼いだ給料を全て注ぎ込んで身を滅ぼすケース。

   たとえそこそこの給料をもらっていたとしても、無計画にお金を遣い、カツカツ状態が続くやら、カードの支払いや家賃を滞納してまでライブツアーを追いかけるやら......。

   筆者の周りにも朝から晩まで働いた給料をバンド通いの費用に充て、それでも借金で首が回らなくなった女性がいた。おまけに過労で体調を崩し、八方塞がりになってしまったという。

   こうした話は「オタク」と呼ばれる界隈では決して珍しくない。ときに、自虐ネタや笑い話として扱われるけど、生活に支障をきたしてまで応援するのは完全に「黄色信号」だ。

   まだこのくらいならギリギリ可愛い方で、本格的に危ないファンも一定数存在する。

   赤信号ゾーンに踏み入ると途端に「レベル」が上がり、彼らは世間的に認められていないルール違反の仕事で「資金」をかき集めてしまう。闇バイトや売春斡旋、詐欺などに手を染め、金策に奔走する。

   実際に、推し活で数千万単位を突っ込んだオタクの資金源が「投資詐欺」だったなんて話も聞いたことがある。

   先日も報道があったように、推し活のために闇バイトで逮捕された青年も現れた。この手の事件は推し活シーンが盛り上がるほど増えやすい。趣味のために人生を棒に振るのはいただけないが、過激なファンは必死過ぎるあまり周りが見えていないのだ。

いつの間にか「応援を義務化」してしまう

   一部では、ホストクラブに通うのを推し活と捉える人たちもいる。

   こちらも場合によっては闇バイトの事件とかぶり、常識を逸脱した女の子たちが立ちんぼや違法風俗店の勤務で「推し(指名ホスト)」に全てを捧げてしまう。特に飲み屋の場合は、お金を突っ込んだぶんだけのリターンが期待できるので、応援の形が最も過激化しやすいジャンルなのだ。

   趣味を楽しむ領域を超えたファンに言えるのは、ほぼ全員が「応援を義務化している」きらいがあるということ。無理をせずにペースを保てば良いものの、「現場に行かないと」とか「このくらいは課金しないと」と自らの手で首を締め上げていく。行きつくところが犯罪では意味がない。何事ものめり込むのは禁物だ。

   「誰かのファンになって応援する」という純粋な行為を、自らの手で壊しにかかるのは非常にもったいない。己をきちんとコントロールし、うまく歯止めを効かせるのが推し活を100%楽しむコツ。

   強引な資金稼ぎや、世間の声が耳に届かなくなるくらい無理をすると、趣味の真っすぐな楽しみ方ができなくなるので、危険地帯に足を踏み入れそうなら一度踏みとどまってほしい。本来であれば推し活とは、とても楽しいものなのだから。



【プロフィール】
たかなし亜妖/2016年にセクシー女優デビュー、2018年半ばに引退しゲーム会社に転職。シナリオライターとして文章のイロハを学び、のちにフリーライターとして独立する。現在は業界の裏側や夜職の実態、漫画レビューなど幅広いジャンルのコラムを執筆中。

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