いつの間にか「応援を義務化」してしまう
一部では、ホストクラブに通うのを推し活と捉える人たちもいる。
こちらも場合によっては闇バイトの事件とかぶり、常識を逸脱した女の子たちが立ちんぼや違法風俗店の勤務で「推し(指名ホスト)」に全てを捧げてしまう。特に飲み屋の場合は、お金を突っ込んだぶんだけのリターンが期待できるので、応援の形が最も過激化しやすいジャンルなのだ。
趣味を楽しむ領域を超えたファンに言えるのは、ほぼ全員が「応援を義務化している」きらいがあるということ。無理をせずにペースを保てば良いものの、「現場に行かないと」とか「このくらいは課金しないと」と自らの手で首を締め上げていく。行きつくところが犯罪では意味がない。何事ものめり込むのは禁物だ。
「誰かのファンになって応援する」という純粋な行為を、自らの手で壊しにかかるのは非常にもったいない。己をきちんとコントロールし、うまく歯止めを効かせるのが推し活を100%楽しむコツ。
強引な資金稼ぎや、世間の声が耳に届かなくなるくらい無理をすると、趣味の真っすぐな楽しみ方ができなくなるので、危険地帯に足を踏み入れそうなら一度踏みとどまってほしい。本来であれば推し活とは、とても楽しいものなのだから。
【プロフィール】
たかなし亜妖/2016年にセクシー女優デビュー、2018年半ばに引退しゲーム会社に転職。シナリオライターとして文章のイロハを学び、のちにフリーライターとして独立する。現在は業界の裏側や夜職の実態、漫画レビューなど幅広いジャンルのコラムを執筆中。