ソフトバンクがレッドソックス傘下3AウースターをFAとなった上沢直之を獲得することが2024年12月16日、スポーツ紙で一斉に報じられた。
メジャーで2試合登板、結果残せず
日本ハムの先発ローテーションで活躍していた上沢は昨オフ、ポスティングシステムでレイズに移籍。マイナー契約のため、日本ハムへの譲渡金は100万円以下だった。
レイズで開幕メジャー入りを逃すと、金銭トレードでレッドソックスへ。メジャーで2試合登板に終わり、3Aウースターでは13試合登板で、3勝3敗、防御率6.54と結果を残せなかった。
今オフは家族との生活を考えて日本球界復帰を決断。古巣・日本ハムが復帰を望んでいたが、4年総額10億円の好条件を提示したと報じされているソフトバンクへの入団を決断した模様だ。
他球団の関係者はこの移籍劇に疑問符をつける。
「上沢はメジャーで1年しかプレーしていない。日本ハムで国内FA権を保有していない状況で、米国でプレーした1年後に球団を選べる立場になっている。事実上のFA移籍でしょう。上沢、ソフトバンクがルール違反をしたのではなく、現行の制度がFAの抜け道になってしまっている。これからもこういった移籍が出てくる可能性がゼロとは言えない。見直す必要があると思います」
日本ハムが「獲られ損」の印象
ソフトバンクは今オフにFA権を行使した石川柊太がロッテに移籍。先発陣の補強が懸案事項となっていた中で、日本ハムで通算70勝と実績がある上沢の獲得に動くのは当然と言える。
だが、上沢の動きを見ると、日本ハムが「獲られ損」の印象がぬぐえない。
NPBの戦力均衡の観点からも、上沢のソフトバンク移籍は今後のルール整備に向け、検証する必要があるかもしれない。(中町顕吾)