働くうえで男性と女性どっちが得か?損か? 若い男性は損、若い女性は得と感じる人が多いなぜ/ニッセイ基礎研究所・村松容子さん

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結婚している若い女性は「会社から守られている感」が高い

――う~ん。上司、先輩に相談できないのは、たしかにつらいです。

村松容子さん これだけは絶対に言えるのは、現在、過渡期にあるということです。仕事と家庭の両立支援が広がる一方、昔ながらの男社会の価値観も強く残っています。そのはざまでの葛藤を、上の世代より多くの若い男性が抱えていると考えられます。

――なるほど。ずっと続いてきた企業の男性社会にあって、若い男性が抱える悩みは初めて経験する「大問題」なわけですね。ところで「得だけ」と感じる割合が、若い女性にもっとも多い理由は何でしょうか。

村松容子さん 仕事と家庭の両立支援が広がり、産休育休支援が充実しました。給料が180日までは従来の67%、それ以降は50%支給されるようになりました。休業も3年間取れます。まだまだ不十分ですが、出産しても十分キャリアを続けやすい時代になりました。そして、仕事を続ける先輩女性も増えています。自分たちの人生設計においては追い風に感じられると思います。

34歳までの男女を比較すると、女性のほうが結婚している割合が高いので、両立支援制度のメリットを受けられる人も女性のほうが多い。「会社から守られている感」が高いでしょう。

こうした点も独身男性からみれば、「女性は得だ。こっちは損をしている」と考えている可能性があります。また、現在、管理職は男性の方が多い。若い女性社員に丁寧に接しようとした結果、同年代の男性への対応と差が出てしまうこともあるかもしれません。
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