「見えない」存在だった女性が、「同じ土俵」で仕事する時代に
J‐CASTニュースBiz編集部は、リポートをまとめた村松容子さんに話を聞いた。
――若い男性ほど職場で「男はつらいよ」と感じている人が多いという調査結果ですが、ズバリ、その理由は何ですか。
村松容子さん 正直、私も驚いています。予想外です。仕事と家庭の両立支援が職場で広がっているので、若い女性ほど「得」を感じる割合が高くなることは予想していましたが、若い男性がこれほど「不利益」を被っていると感じているとは、考えていませんでした。
――たとえば、大学入試の理系学部で「女子枠」を作る動きがありますが、それに対して、男子受験生の間で「逆差別」だという意見が出ています。それと同様に「女性優遇」「男性差別」だという反発があるのでしょうか。
村松容子さん それもあるかもしれませんが、もっと重要なことは、昔と違って男性が女性を意識して仕事するようになったためと考えています。
年配の男性の時代は、中高年まで会社で働く女性が少なく、ましてや管理職にまで昇進する女性は今よりかなり少なかったと考えられます。たとえば昇進への闘いでは、男性は、同僚の男性だけを意識して仕事をしていればよく、社内の女性はいわば「見えない存在」でした。
ところが、今の若い男性にとって若い女性は、大学時代そのままに同じ入社試験を受け、同じ給料をもらい、同じ職種で働きます。つまり、同じ土俵に乗って働き、競い合う中に女性もいるようになりました。仕事面では競い合えても、性別は、お互いに超えられない、それぞれの特徴となります。
これは、上の世代の男性には少なかったことです。今の女性登用に向けた議論の中で、戸惑いがあるのかもしれません。