ハワイとオーストラリアの間にある小さな島国、ナウル共和国の政府観光局日本事務所の公式Xアカウントが2024年12月12日、同アカウントが9月に行った生成AIを用いた投稿に「謂れのない、連日の執拗な批判、誹謗中傷」が寄せられたことについて改めて思いを明かした。
「一部の方から叩かれて...」
ナウル共和国は、総人口約1万人の南太平洋の国だ。観光局公式Xは美しい海や砂浜などの写真やダジャレなどを交えた軽妙な投稿でファンを集め、フォロワー数51万を超えている。
物議を醸したのは、観光局公式Xが9月14日に投稿した「生成AIを用いて制作した画像」だ。Xに搭載された生成AIチャットボット「Grok」を使用して生成したイラストだったが、AI生成イラスト反対派からの批判が相次いだことで投稿を削除した。
長らくプレミアム会員向けの有料サービスだったGrokだが、12月10日頃より順次一般ユーザー向けの無料開放がスタートしている。使用回数などの制限はあるものの、一般ユーザーらも無料でチャットでの会話や画像生成などを楽しむことができるようになった。
無料での使用ができるようになったことで、Xに思い思いのAI生成画像を投稿するユーザーが増えている。
こうした動きについて、観光局公式Xは12日、【生成AIについて】として改めて思いを明かした。
「先日より、多くの皆様がGrokを使い始められていて、以前に我々がXの新機能であるGrok使用(AI使用)を明記して、試験的にナウル風景の画像を作成して投稿したポストが一部の方から叩かれて大炎上したのはどういうことだったのかと考えています」
「ブロック等をせずに最後まで責任を持って」
多くの批判が届いたことについて「我々としても一部の方々からの謂れのない、連日の執拗な批判、誹謗中傷に心が傷付きました」と振り返った。
生成AIを取り巻く環境が変わったことで「DMで投稿を削除しなさいと言って来た方々に再度、御意見をいただこうと考え、連絡しようと確認した」とするも、「何故かブロックされておりました...」という。
「SNSの運用はなかなか難しいですね」としつつ、「投稿の削除を指示してきたのであればブロック等をせずに最後まで責任を持って堂々としていて欲しいものです」と苦言を呈した。
「当時、Grokで作成し投稿した画像を改めて下記に掲載いたしますが、実際のナウルとはちょっと違いました。こんなにナウル島は大きくありません」として、改めて青い海と白い砂浜に、緑が生い茂る美しい浜辺の画像を投稿した。
観光局公式Xは「生成AIについては様々な議論があることを理解しております」と反対派の意見にも理解を示しつつ、「Xは人を傷つけない限りは自由な言論の空間だと思いますので、一部のAI規制派の方々が様々な御意見を持たれるのは自由だと思いますが、人々を執拗に攻撃されないことを切に望みます」と訴えている。
【生成AIについて】
— ナウル共和国政府観光局(公式) (@nauru_japan) December 12, 2024
先日より、多くの皆様がGrokを使い始められていて、以前に我々がXの新機能であるGrok使用(AI使用)を明記して、試験的にナウル風景の画像を作成して投稿したポストが一部の方から叩かれて大炎上したのはどういうことだったのかと考えています。… pic.twitter.com/kClEEVS5cR