プロ野球横浜ベイスターズ、日本ハムでプレーした野球解説者の高木豊氏(66)が2024年12月11日までにユーチューブを更新し、楽天から自由契約になった田中将大投手(36)の去就に私見を述べた。
「もうそろそろ決まってもいいのではないかと思うが」
田中は11月24日にユーチューブを更新し、来シーズン、楽天と契約を結ばないことを発表。26日にはメディア取材に対応し、楽天を退団した理由について自らの口で説明した。
日本野球機構(NPB)は12月2日に、25年シーズンの契約保留選手名簿を公示。名簿に記載されなかった田中は自由契約選手となったが、その後、移籍に関する動きはないようだ。
スポーツ紙の報道によると、田中は8日にメディア取材に応じ、去就について「特に言えることはないです」と語ったという。
このような状況の中、高木氏は「時としてはだいぶ経つ。もうそろそろ(決まっても)いいのではないかと思うが、ないというのは厳しいんだろうなと思う」と率直に語った。
田中の移籍先に関して、ヤクルトが候補に挙がるも、スポーツ紙の報道によると、ヤクルトは田中獲得を見送ったという。高木氏はこの報道に触れ、ヤクルトのチーム事情を、こう説明した。
「ヤクルトは若手や、契約更改をみていると、山野(太一)とかに給料アップとか、いろいろ期待しているようなことを出している。あと、石川(雅規)がいて、石川に何とか200勝を達成させてやりたい。マー君が、あと3勝で通算200勝。2人抱えるのは厳しい。そういう場を与えてあげないといけない、ということだから。石川はヤクルトの功労者だし、名誉として達成させてあげたい気持ちはあっても、マー君には何の縁もゆかりもない」
「楽天に戻るのが1番いいのだろうけども、男として戻れない」
そして、楽天を含めたセ・パ12球団の投手事情に言及した。
「(投手陣が)スカスカで、ひとりでも多く(ほしい)というところは、12球団をみてもそんなにない。しいて言えば、楽天くらい。楽天はピッチャーがほしいと思う。出戻りで戻ってきたりするけども。そういうことを考えると、楽天に戻るのが1番いいのだろうけども、男として戻れない」
ヤクルトが田中獲得を見送る中、他球団は静観の姿勢を貫いている。高木氏は、各球団が田中獲得に消極的な理由について、次のように分析した。
「日本に帰ってきて、すべての年で負け越している。ここがやっぱり球団が引くところ。10勝はしなくても、必ず3つくらいは勝ち越しているというのであれば、取ってみようかという気になるが、全部負け越しているから、それだったら若手にチャンスを与えた方がいいだろうということ」
田中は大リーグのニューヨーク・ヤンキースから20年オフに古巣楽天に復帰。1年目の21年シーズンは4勝9敗。22年シーズンも9勝12敗と負け越し、23年シーズンは7勝11敗だった。
24年シーズンは、23年10月に受けた「右肘関節鏡視下クリーニング術」の影響で、1軍での登板は9月28日のオリックス戦1試合のみだった。
田中の去就について、高木氏は「メジャーにはもう戻れないでしょう。日本でこの成績で。八方ふさがりになっている」とし、「現段階、何の動きもない中で、ここまで落ち着いた状況になってしまうと厳しい。このまま引退となると寂しい」と私見を述べた。
田中はここまで日米通算197勝を記録し、節目の200勝まであと3勝に迫っている。