高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 杜撰すぎる「非常戒厳」騒動、日米韓の連携はズタズタだ

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   韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が2024年12月3日夜に「非常戒厳」を出して以降、韓国政治が混乱している。

   今回の政変はあまりに杜撰(ずさん)で、まるで民主主義国ではあり得ない話だった。非常戒厳のニュースが出た時には、フェイクかと思ったという韓国人もいたくらいだ。結果として、非常戒厳は6時間で撤回に追い込まれた。

  • 尹錫悦大統領への退陣圧力は強まるばかりだ(写真:Lee Jae Won/アフロ)
    尹錫悦大統領への退陣圧力は強まるばかりだ(写真:Lee Jae Won/アフロ)
  • 日韓関係も不安定化しそうだ(写真は外務省のXから)
    日韓関係も不安定化しそうだ(写真は外務省のXから)
  • 尹錫悦大統領への退陣圧力は強まるばかりだ(写真:Lee Jae Won/アフロ)
  • 日韓関係も不安定化しそうだ(写真は外務省のXから)

いまだにはっきりしない事態の真相

   それにしても、ネット上で出ている動画を見ると、流血事態の一歩手前で寒気がした。国会において、兵士の銃を奪おうとする者がいて、すんでのところで奪われなかった。

   今回の真相はいまだにはっきりしない。ワイドショーで格好の話題になった尹大統領の夫人を守るためというストーリーには、事件が古すぎるという致命的欠陥があった。

   少数与党での苦しい国会運営や先の総選挙不正の解明なども、今回の非常戒厳の背景にあるといわれているが、法的に無理筋なのは、法律家の尹大統領であれば、容易にわかるはずだ。いずれにしても、尹大統領は謝罪に追い込まれ、その権限は狭められ事実上の解任状態だ。もっとも与党も今の段階で尹大統領を弾劾し、大統領選を行うのは適当でないので、国会の弾劾決議はかろうじて回避されている。

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