岐阜で救急車全焼事故、運転の隊員は「仮眠できていなかった」 「地域事情」で過酷勤務に拍車

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受け入れ先の地元病院「医師不足は深刻な問題です」

「転院搬送で高山市や岐阜市に行くことが増えて、出動時間が長くなっています。1時間では、なかなか帰れないことも多いです。高齢者が増えたことのほか、医師不足もあると思います。下呂温泉病院で受け入れできないことが増え、他の受け入れ先について協議しているところです」

   今回の全焼事故で、市内で5台あった救急車が4台に減ったことも、今後痛手になる。装備品などが高くて、1台数千万円ぐらいすることもあるという。年末年始は出動が増えるが、すぐに買える見通しも立っておらず、近隣の自治体でも救急車を貸し出す余裕がないのではないかという。

   風邪などで救急車をタクシー代わりに使う出動も、全国的な傾向になっていて、市内でも見られるという。しかし、救急利用の有料化については、まだ検討していないとしている。

   医師不足について、県立下呂温泉病院の事務局長は12月11日、取材に対し、「深刻な問題になっています」と認め、次のように現状を説明した。

「以前は、脳外科医がいましたが、5年前から不在になっています。心疾患についても、対応できる医師は限られています。主に、岐阜大学に医師の派遣をお願いしており、救急上の違反がないように何とかやっていますが、派遣医師の数も減ってきています。うちのような2次救急で対応できない重症患者については、高度医療設備がある3次救急の高山赤十字病院や美濃加茂市内の中部国際医療センターにお願いしていますが、車で1時間はかかってしまいます」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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