プロボクシングの元2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ、29)が2025年2月に再起戦を行う。米ボクシング専門メディア「ボクシングシーン」(ウェブ版)が24年12月10日に報じた。
井上はネリ戦でプロ初のダウンを喫した
ネリは24年5月6日に東京ドームでスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、31)に挑戦し、6回TKO負けを喫した。
試合は、ネリが1回に井上からダウンを奪ったものの、2回、5回、6回と計3度のダウンを喫して完敗。一方の井上は、プロキャリアで初めてダウンを喫した。
ネリは5月の井上戦以降、リングから遠ざかっており、2月の復帰戦は9か月ぶりのリングとなる。
「ボクシングシーン」の記事によると、アドバイザーを務めるプロモーターのショーン・ギボンズ氏は、井上が4団体王座に君臨するスーパーバンタム級の現状について、こう分析した。
「井上が(スーパーバンタム級から)いなくなれば、マーロン・タパレス(フィリピン)、ルイス・ネリ、カール・マーティン(フィリピン)らが世界タイトルマッチを戦うことになる。井上は次戦でサム・グッドマン(オーストラリア)と対戦する。彼がそこで防衛に成功すれば、次戦はアメリカでデビッド・ピカソ(メキシコ)と対戦するようだ。WBOのフェザー級がどうなるかにもよるが、王者ラファエル・エスピノサ(メキシコ)が階級を上げれば、フェザー級に井上の枠が空くかもしれない」
「井上がスーパーバンタム級にいるので、皆が待機している」
井上は12月24日にWBO・IBF世界スーパーバンタム級1位サム・グッドマン(オーストラリア、26)と防衛戦を予定している。この試合で王座防衛に成功すれば、来春に米国での試合を計画しており、しばらくはスーパーバンタム級に留まるとみられる。
一方で、井上はスーパーバンタム級でもはや敵なしの状態にあり、近い将来、階級をひとつ上げて、フェザー級で世界5階級制覇を目指すとみられる。
井上がフェザー級に転向した場合、保持するスーパーバンタム級4団体の王座は返上されるため、空位の王座を元世界王者らが虎視眈々と狙っている。
ギボンズ氏によると、ネリもそのひとりで、「井上がスーパーバンタム級にいるので、皆が待機している」と語ったという。
ネリは17年8月にWBC世界バンタム級王座を獲得。20年9月にWBC世界スーパーバンタム級を制し、世界2階級制覇を達成した。戦績は35勝(27KO)2敗。