サッカー・Jリーグのファジアーノ岡山が悲願のJ1初昇格を果たしたことを巡り、岡山県の地元テレビ局が取り上げた女性サポーターの悲喜こもごものドラマが話題になっている。
この女性は、8年前に岡山が決勝で敗れたときにボロ泣きした映像が、瀬戸内海放送(KSB)のニュースで流れた。今回は、勝ってボロ泣きする様子が流れ、女性本人も、どのようにしてテレビが自分を見つけたのかとXへの投稿で驚いていた。
「8年前とくっつけて紹介しているのはすごい」と女性がX投稿
がっかりして嘆き悲しむ若い女性の姿が、アップで映し出される。その顔は、汗と涙にまみれており、顔を両手の上に乗せてその場でうずくまってしまった。
これは、ファジアーノ岡山が2016年のプレーオフ決勝で敗れ、あと一歩のところでJ1への切符を逃したときの映像だ。
ところが、その8年後となる24年12月7日に行われたプレーオフ決勝では、岡山は、ベガルタ仙台を2-0で下し、J1への切符を手中にした。
岡山ホームでの試合で、約1万5000人の観客は、喜びを爆発させ、その中に、この女性の姿があった。
今度は、満面の笑みを浮かべて、岡山の選手たちに拍手を送る。その顔は、前回同様に汗と涙にまみれていたが、もう喜びしかなかった。
KSBの報道番組「ニュースパークKSB」は9日夕、岡山のJ1初昇格を報じる中で、この女性サポーターの姿を追った8年前との比較映像を流した。
この映像について、女性が同日、X上で反応し、自らの「ボロ泣き」シーンについて、8年前とくっつけて紹介しているのはすごいと、驚きを露わにした。どうやって1万5000人の中から女性を見つけたのかという疑問だった。
女性は、8年前の映像が度々流れて恥ずかしかったというが、悔し涙をうれし涙に変えられたと、カメラマンに感謝の意を示していた。その映像があったからこそ、全国からお祝いの言葉が続々と届いたとも明かした。
ディレクターが「うれし涙を絶対撮りたい」と執念で「恩返し」
この女性サポーターの投稿は、X上で大きな反響を呼び、最初の投稿は、11万件以上の「いいね」が集まっている。
「ファジアーノ昇格の8年越しのドラマになってる」
「これ、すごいな!ガッツポーズ姉さんに次ぐ、ボロ泣き姉さん誕生や」
「ボッロナーキ姉さん おめでとうございます」
リプライも相次いでおり、女性も、この反響の多さに驚きと感謝を示していた。
女性の投稿について、KSBのある記者は12月9日、「これは、すごい...」とXで言及して、次のように報告した(後に削除)。
「担当した後輩ディレクターに聞いてみたら『8年前に悔し涙を流してた女性のうれし涙を絶対撮りたい!』と思ってたところ、たまたま1万5000人の中から見つけられたとのこと。取材者の執念の1カット」
このディレクターは、女性の映像を何度も使って申し訳ないと思っていたといい、「8年越しの恩返し」ができたとこの記者は指摘していた。女性ともXでやり取りしており、女性に感謝の意を示したうえで、女性の真っ直ぐな思いにカメラが引き寄せられたのではないかとの見方を示した。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)