冬のボーナス、1人あたり過去最高74万円...連合調べ 来年は組合のない人々を巻き込む「ノルム」打破目指す

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「賃金も物価も上がらない」しみついている「あたりまえ」=「ノルム」を来年変えたい

   J‐CASTニュースBiz編集部は、連合本部の担当者に話を聞いた。

――過去最高水準のボーナスですが、やはり1991年以降で最高となった今年春闘の高い賃上げ率(5.10%、連合集計)が表れた結果ですか。

担当者 各単組の交渉場面でも、労使双方が企業の持続的成長と、さらには日本全体の生産性向上のためには、「人への投資」の拡充が不可欠だという認識を深めたことが大きいです。お互いに真摯かつ有意義な交渉が行われた結果だと受け止めています。

――今回の結果を来年の賃上げ闘争にどうやってつなげていきますか。

担当者 2025闘争は、賃上げの流れを定着させ、そのすそ野を中小企業や労働組合のない職場まで広げることが最大のミッションだと考えています。

今年の春闘では33年ぶりとなる5%台の賃上げを実現しましたが、しかしながら中小企業の賃上げは5%に届いていません。適切な価格転嫁・適正取引を進め、格差是正につなげたいと考えています。

何より、組合づくりにも力を入れたい。厚生労働省の「賃金引上げ実態調査」(2024年)でも「労働組合の有無により、賃上げ率に約1ポイントの差が見られる」と指摘されています。

春闘は、労使交渉の機会が保障されている労働組合の強みをアピールし、組合に集う仲間を増やす絶好のチャンスです。働きがいのある職場づくりや生産性向上などについて労使で真摯に話し合いを積み重ねる機会でもあるのです。誰もが生活向上を実感できるよう「みんなの春闘」を展開していきたい。

――具体的には何をアピールしますか。

担当者 米国の経済学者アーサー・オーカンは、「ノルム」というキーワードを提唱しています。

ノルムとは「予想」より強い概念で、人々に根差している社会的な習慣や規範意識を意味します。長年の経験に基づき、人々の間には物価や賃金の上昇率について皆が当たり前として考える世間相場のような水準が形成されてしまうのです。

私たちは、みんなの賃上げでみんなの生活を向上させ、新たなステージの定着をめざしたい。「賃金も物価も上がらない」という、私たちの中にしみついているこれまでのあたりまえ、ノルムをいまこそ変えたい。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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