人気店のハンバーグ「生焼け」動画が波紋 食中毒リスクも指摘、店主「客に焼いてもらう方法は止めます」

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   東京都武蔵野市内の人気ハンバーグ店「吉祥寺バーグ」で提供されたチーズハンバーグについて、「生焼けではないか」とネット上で指摘が出ている。

   グルメ動画チャンネルの投稿を見ると、ハンバーグを切ると赤身が見えていた。同店の店主は、「客に鉄板の上で焼いてもらったが、不十分でした」と取材に説明し、「今後は、中心部まで火を通してから提供します」と明らかにした。

  • 十分火を通さないと食中毒の恐れが(写真はイメージ、店提供のハンバーグではありません)
    十分火を通さないと食中毒の恐れが(写真はイメージ、店提供のハンバーグではありません)
  • 2019年5月29日のインスタ投稿から
    2019年5月29日のインスタ投稿から
  • 十分火を通さないと食中毒の恐れが(写真はイメージ、店提供のハンバーグではありません)
  • 2019年5月29日のインスタ投稿から

ナイフで真ん中を切ると、中が赤身になっていた

   この店は、2018年5月にオープンし、チーズをたっぷりかけるハンバーグを売りにしている。ライスの上にハンバーグを乗せ、チーズをかけてかき混ぜるチーズリゾットも人気だ。

   ところが、24年12月5日ごろに、TikTokのグルメ動画チャンネルでチーズハンバーグが紹介され、インフルエンサーが6日にXで取り上げると、その内容を巡って騒ぎになった。

   動画を見ると、ナイフで真ん中を切った牛100%のハンバーグは、中が赤身になっている。熱した鉄板の皿に置かれて焼かれ、チーズをかけ味もつけて、提供されていた。動画では、肉が柔らかくて「歯茎で食べられるぐらい」だと紹介されていた。

   Xの投稿は、2000件以上リポストされ、「これ思いっきり生じゃない?」「お腹を壊しそう」などと心配する声が寄せられた。

   ユーザーが背景情報を追加するコミュニティノートも付いた。そこでは、生や加熱不足の牛肉は、腸管出血性大腸菌O157などの病原菌が含まれる可能性があり、厚労省が食中毒予防のため中心部まで十分に加熱することを公式サイトで呼びかけていると指摘している。

   武蔵野市を管轄する東京都の多摩府中保健所では9日、J-CASTニュースの取材に対し、「個別の店舗について、指導状況をお答えできません」と生活環境安全課長が話した。取材後に初めて、ネット上で話題になっているのを把握したという。

   そのうえで、一般論として、次のように説明した。

「他の店で中がレアなハンバーグを食べて、美味しかった」

「牛肉のステーキは、表面を焼くと菌が死にますが、ひき肉は、ミンチにしますので、表面の菌も中に入ってしまいます。ハンバーグの表面だけ焼いても、菌が中にいますので、中心部まで火を通さない生焼けですと、食中毒の恐れがあります。その状況に応じて、適宜店を指導する可能性があります」

   厚労省が定める基準では、ハンバーグを焼くときは、中心部を75度で1分以上加熱することになっている。

   こうした指摘について、吉祥寺バーグの店主は12月10日、取材に対し、チーズハンバーグの提供方法が不十分だったことを認めた。

「お客様自らで、ハンバーグを熱した鉄板の上でつぶして加熱してもらっていました。しかし、思うようにいかず、結果的に中心部を75度で1分以上加熱されていないときもありました。指摘がありましたので、今日から、店で火を通してから提供するように変えました」

   ハンバーグについては、以前は、中がレアのまま客に提供していた。他の店で、同様なハンバーグを食べて、美味しいと思ったからだという。しかし、4月に保健所が立ち入り検査に入り、中心部まで火を通してから提供するよう指導された。その後、温度計を買って鉄板の上で実験しながら、客自らが焼く方法でハンバーグを提供していたという。

   保健所の検査のときは、ハンバーグ内に含まれる菌の数値が問題ないレベルだと言われたという。これまでに、ハンバーグを食べて、お腹を壊したり体調が悪くなったりした客はいないといい、食中毒は発生していないと説明した。

   今回の騒ぎを受けて、店には10日に保健所の立ち入り検査があるという。店主は、「面倒なことになりますので、お客様に焼いてもらう方法はなくしました。もちろん、中心部を75度で1分以上加熱してから提供します」と話している。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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